志摩にある登れる灯台|安乗埼灯台と大王埼灯台をめぐる

三重県志摩市の安乗埼灯台と大王埼灯台を並べた比較写真。左は四角形、右は円筒形の灯台 三重

三重県志摩市にある安乗埼灯台と大王埼灯台は、どちらも内部に入って上まで登れる参観灯台です。

この記事では、実際に登って感じた階段の違いや上部からの眺め、周辺の見どころを紹介します。あわせて、駐車場からの道のりや公共交通機関でのアクセス、参観時の注意点もまとめました。


志摩の2つの登れる灯台を訪問

2026年3月下旬、三重県志摩市にある安乗埼灯台と大王埼灯台を訪れました。 この日は夫の運転する車で移動し、2つの灯台を同じ日に見学しました。

安乗埼灯台は全国でも珍しい四角い形の灯台、大王埼灯台は円形の灯台です。 どちらも内部の階段を登り、上部から海を眺めることができます。

実際に登ってみると、階段の形状だけでなく、周辺の景色や資料展示にも違いがありました。

安乗埼灯台|四角い灯台と春雨展望台

最初に訪れたのは、志摩市阿児町安乗にある安乗埼灯台です。 漁村の細い道を通って駐車場へ向かいました。

駐車場に隣接する安乗岬園地には広い芝生広場があり、その先に白い安乗埼灯台が見えます。 灯台までは平坦な園地を歩いて数分ほどで、園地にはカフェや資料館もあります。

四角い灯台の階段を登る

参観受付を済ませ、灯台の内部へ入りました。 安乗埼灯台の階段は42段で、四角い建物に合わせた直線的な造りになっています。 内部は薄暗く、やや閉塞感がありました。

階段を登って上部に出ると、360度の展望が広がっていました。 ここからは太平洋だけでなく、的矢湾も見渡すことができます。 眼下には岩礁が続き、波が打ち寄せる様子も見えました。

この日は風が強く、上部では特に風の強さを感じました。

春雨展望台から眺める安乗埼灯台

灯台を見学した後は、近くの春雨展望台にも立ち寄りました。 ここからは、岬の先端に立つ安乗埼灯台を海岸の地形と一緒に眺めることができます。

春雨展望台の名称は、1911年に安乗沖で遭難した旧日本海軍の駆逐艦「春雨」に由来します。 周辺には遭難に関する慰霊碑も設けられています。

また、周辺には「あさぎまだらの舞う岬」と記された案内もありました。 アサギマダラは長距離を移動することで知られる蝶ですが、今回の訪問では姿を確認できませんでした。

安乗埼灯台資料館を見学

灯台の近くにある安乗埼灯台資料館も見学しました。 資料館は2026年2月にリニューアルされており、今回は改修後の施設を訪れたことになります。

館内には灯台の模型やレンズ、航路標識に関する資料などが展示されていました。

大王埼灯台|絵かきの町・波切を歩く

続いて訪れたのは、志摩市大王町波切にある大王埼灯台です。 安乗埼灯台とは異なり、駐車場から灯台までは町の中を歩いて向かいます。

灯台へ続く波切の町並みと八幡さん公園

駐車場から灯台へ向かう道は細く、建物の間を通る路地が続いていました。 かつて多くの店が並んでいたことを思わせる場所もあり、途中では壁や天井いっぱいに絵が飾られた建物を見かけました。

大王町波切は「絵かきの町」として知られています。 灯台へ向かう途中にも、絵画と関わりの深い土地であることを感じられる光景がありました。

また、駐車場の近くでは、「土木遺産(波切の石積み構造物群)」と記されたプレートのある石積みも見かけました。 波切の町並みは、日本遺産「海女(Ama)に出逢えるまち 鳥羽・志摩」の構成文化財にも含まれています。

この地域では、海からの風を防ぐための石垣などが造られ、石積みの技術が受け継がれてきました。 灯台へ向かう道そのものにも、地域の歴史が残されています。

途中で立ち寄った八幡さん公園には、八幡さんと呼ばれる八幡社と絵を描く人物の銅像があります。 ここからは、断崖の上に立つ大王埼灯台と太平洋を一緒に眺めることができました。

円形の大王埼灯台に登る

大王埼灯台は白い円筒形の塔が特徴で、内部には時計回りの螺旋階段があります。 階段は82段あり、踏み板は内側が狭く、外側が広い形をしています。

入口から14段上がったところには、下部の建物の屋上にあたる外部デッキがあり、ここにも出ることができました。 さらに階段を登って塔の上部にも出ましたが、この日は風が強く、外側では慎重に移動しました。

安乗埼灯台より階段数は多いものの、内部はこちらの方が明るく、個人的には大王埼灯台の方が登りやすく感じました。

展示室で知る灯台の歴史と灯台守の暮らし

大王埼灯台では、資料展示室も見学しました。 館内には建設当時のフレネルレンズが展示されており、灯台の光を遠くまで届けるための装置を間近で見ることができます。

また、灯台守の仕事や日々の暮らしを紹介する展示もありました。

安乗埼灯台と大王埼灯台の違い・大安御朱印

同じ日に2つの灯台を登ってみると、いくつもの違いがありました。

  • 安乗埼灯台:四角い外観と、それに合わせた階段が特徴。駐車場からの道は平坦で、周辺には芝生広場や春雨展望台があります。
  • 大王埼灯台:円形の外観と塔に沿った階段が特徴。駐車場からは波切の町の路地や坂道を歩いて向かい、八幡さん公園から灯台を眺められます。

どちらにも灯台の歴史を知るための展示がありましたが、展示内容にはそれぞれ特色がありました。 安乗埼灯台ではリニューアルされた資料館を、大王埼灯台では建設当時のレンズや灯台守の暮らしに関する展示を見学しました。

さらに、2つの灯台を巡る楽しみの一つが「大安御朱印」です。 安乗埼灯台の「安」と大王埼灯台の「大」を組み合わせると、「大安」の文字が完成します。

今回は両方の灯台を訪れ、記念の御朱印を完成させることができました。

安乗埼灯台・大王埼灯台へのアクセスと駐車場

安乗埼灯台の駐車場とアクセス

安乗埼灯台へは車で向かいました。 途中には漁村の細い道があり、対向車や歩行者に注意して進む必要があります。

駐車場は安乗岬園地に隣接しており、灯台までは平坦な芝生広場を歩いて数分ほどです。

大王埼灯台の駐車場とアクセス

大王埼灯台では、漁協関係の有料駐車場を利用しました。 駐車場から灯台までは、波切の町の細い路地や坂道を歩いて向かいます。

安乗埼灯台と比べると駐車場から歩く距離が長く、途中には傾斜のある坂道もあります。 特に灯台へ向かう最後の坂道は急で、観光三重の案内では傾斜約8~10度と紹介されています。

なお、市営の大王崎観光駐車場から灯台までは徒歩約10分が目安です。 途中には八幡さん公園への分岐もあり、町並みを見ながら歩くことができます。

公共交通機関と期間限定の周遊バス

安乗埼灯台へは、近鉄鵜方駅から三重交通バス安乗線(安乗方面)に乗車し、「安乗埼灯台口」で下車します。 バス停から灯台までは徒歩約15分です。

大王埼灯台へは、近鉄鵜方駅から三重交通バス御座線(御座方面)に乗車し、「大王崎灯台」で下車します。 バス停から灯台までは徒歩約10分で、途中には坂道があります。

両灯台は利用するバス路線が異なるため、公共交通機関で同じ日に巡る場合は、運行本数や乗り継ぎ時間の確認が必要です。

また、2026年には2つの参観灯台を巡る周遊観光バス「しま~る号」の参観灯台コースも案内されています。 運行日は限定されているため、最新の日程や予約方法は志摩市観光協会の公式サイトで確認してください。

参観時間に注意|12時から13時は昼休み

安乗埼灯台と大王埼灯台では、2026年3月1日から、12時~13時の昼時間休業が設けられています。 この時間帯は灯台に登れず、スタンプ押印や頒布品の受付も休止します。

参観時間は両灯台とも午前9時~12時、午後13時からです。 午後の終了時刻は季節や曜日によって異なり、最終入場は終了15分前となっています。

2つの灯台を同じ日に巡る場合は、昼休みと移動時間を考慮して予定を組むと安心です。 参観時間や参観料、休止日などの最新情報は、公益社団法人燈光会の公式サイトで確認してください。

志摩市安乗の海岸に立つ安乗埼灯台と周辺の地形
安乗埼灯台から見下ろす岩礁と打ち寄せる波
岩礁に打ち寄せる波
春雨展望台から眺めた安乗埼灯台と海岸線
春雨展望台から望む安乗埼灯台
安乗岬に設置された「あさぎまだらの舞う岬」の案内板
「あさぎまだらの舞う岬」の案内
2026年2月にリニューアルした安乗埼灯台資料館の外観
2026年2月にリニューアルした安乗埼灯台資料
安乗埼灯台資料館に展示されている灯台のレンズと機器
安乗埼灯台資料館に展示された灯台の模型と資料
安乗埼灯台のミニチュア
波切の石積み構造物群と土木遺産の案内プレート
土木遺産「波切の石積み構造物群」
大王町波切の路地にある絵画が飾られた建物
波切の路地で見かけた絵画の展示
八幡さん公園の絵を描く人物の銅像と大王埼灯台
八幡さん公園から望む大王埼灯台
断崖の上に立つ大王埼灯台と太平洋
八幡さん公園から見る大王埼灯台
大王埼灯台の白い円筒形の塔と下部の建物
14段上がった先に外部デッキがある大王埼灯台
大王埼灯台の参観入口
大王埼灯台の建設当時に使用された第四等フレネルレンズ
1927年の初点灯から約80年間使われたフレネルレンズ
大王埼灯台の灯台守の暮らしを紹介する展示
灯台守の暮らしを紹介する展示
安乗埼灯台と大王埼灯台を巡って完成した大安御朱印
2つの灯台を巡って完成した「大安御朱印」

🌊 あわせて訪れたい登れる灯台

千葉県南房総市の野島埼灯台も、内部の階段を登って見学できる参観灯台です。 房総半島の南端に位置し、灯台からの眺めや周辺の散策について紹介しています。

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