東京発ひとり旅|雪の越後妻有へ ― 冬限定アートと越冬料理を巡る一日

アートと文化

大寒波の影響で中止になるかもしれないと思っていた越後妻有の冬のツアー。
前日に届いた「お待ちしています」という一通のメールに背中を押され、半信半疑のまま向かった越後湯沢駅が、今回の旅の出発点でした。
参加したのは、越後妻有の厳しくも美しい雪景色と、冬限定のアート作品、そして雪国の知恵が詰まった越冬料理を味わうバスツアー。
大地の芸術祭・冬バージョンのひとつ、「冬のエチゴツマリコース[まんぷく雪見御膳便]」に参加した、ひとり旅の記録です。


大寒波の中、越後湯沢駅からツアーへ

大寒波が訪れていたため中止になるのではと思っていたツアーでしたが、前日に「お待ちしています」というメールを受け取りました。
本当に大丈夫だろうかと半信半疑のまま向かった越後湯沢駅が、今回のツアーの集合場所です。

参加したのは、越後妻有の雪と冬限定のアート作品を巡り、昼食には雪国の知恵と文化が詰まった越冬料理を味わえるバスツアー。
「冬のエチゴツマリコース[まんぷく雪見御膳便]」は、大地の芸術祭・冬バージョンのツアーのひとつです。

越後湯沢駅周辺は思ったより雪が少なかったものの、ニュースでは十日町は2メートルを超える積雪とのこと。
不安な気持ちを抱えつつ集合場所へ向かうと、同じようにひとり参加の女性と出会い、彼女もツアー中止だと思っていたと話してくれました。

この日の旅程

この日の旅程は以下の通りです。

  • 清津峡トンネル
  • 越後妻有里山現代美術館 MonET(雪上展示)
  • 上新田で雪見御膳の昼食
  • 奴奈川キャンパス
  • 最後の教室

最後は越後湯沢駅へ戻り、解散となります。

雪の清津峡トンネルへ

ガイドさんによると、十日町では2メートルを超える積雪は珍しくないそうですが、1月中にそこまで積もるのは少し早いとのこと。
雪がしんしんと降る中、最初の目的地・清津峡へ向かいます。

2024年2月に越後湯沢駅からの直行バスで訪れたときとは違い、今回は一面の銀世界。
立山の雪の大谷ウォークを思わせる、高い雪壁が両側に続きます。雪崩が起きやすい場所だと聞き、不安がよぎりましたが、無事に到着しました。

駐車場からトンネル入口まで歩く間も、目に雪が入るほどの降り方。
それでも、地元主催のツアーという安心感がありました。

知らなかった清津峡のトイレアート

以前訪れていたので作品自体は知っていましたが、トイレのアートが実際にトイレとして機能していることを、同じひとり旅の女性から教えてもらいました。

しかもアート作品の中にトイレは2つあり、どちらも十分な広さで温水洗浄便座付き。
今回は雪で見れませんでしたが、通常は中から外の景色が見えるため、少し恥ずかしい気持ちになるそうですが、外から中は見えません。
こんな広いトイレが作品の中に2つもあるとは、まったく知りませんでした。

一番奥のパノラマステーションは雪が吹き込み、前回より水深が深いように感じました。
白くお化粧した清津峡はとても美しく、以前の冬の訪問とはまた違った新鮮な景色でした。

越後妻有里山現代美術館 MonET

続いて訪れたのは、越後妻有里山現代美術館 MonET。
2回目の訪問でしたが、作品入替工事の影響で一部展示は休止中。それでも雪上展示や館内で初めて見る作品があり、十分に楽しめました。

雪国の知恵が詰まった「雪見御膳」

ツアーのメインともいえる昼食は、上新田にて。
食事の前には八木節を披露していただき、テンポの良い踊りに心が躍ります。

食事は天保7年の輪島塗の漆器で提供され、地元の方々の手作り料理がずらり。
大皿料理から取り分けるものもあり、どれも滋味深く美味しいものでした。

特に印象に残ったのは、初めていただいた糸瓜。美味しくておかわりしたほどです。
糸瓜やきゅうりは、収穫後に塩揉みして冷凍保存していたものだそうで、雪国ならではの保存食の知恵に触れることができました。

奴奈川キャンパスで五感を使うアート体験

食後は奴奈川キャンパスへ。
外には大きな雪だるまが並び、顔のパーツを動かして遊べる雪遊びの場が用意されていました。

館内では、木に触れ、光を捉え、音を感じるなど、五感で体験するアート作品が並びます。
一見するとわからないほど精巧な丸シールアートや、木の玉が敷き詰められた空間など、大人も童心に返ることのできる場所でした。

最後の教室 ― 強烈な印象を残すアート

最後に訪れたのは、廃校を利用した「最後の教室」。
さらに雪深い場所にあり、校舎内は薄暗く、お化け屋敷のような雰囲気です。

体育館では藁が敷き詰められ、踏みしめるたびに匂いが立ち上ります。
暗闇の中で無数の電球が扇風機の風に揺れ、その世界観に次第に引き込まれていきました。

理科室では、心臓音に合わせて灯る電球の作品。
作者自身の心音を録音したものだと聞き、生と存在を強く感じます。

どの作品も、生と死、存在と不在、記憶と忘却をテーマにした強烈なものばかり。
雪の白い季節にこの場所を訪れたこと自体が、作品の一部のように感じられました。

雪国で感じたこと

ツアーは越後湯沢駅へ戻り終了。
アートに心を揺さぶられ、地元の方々の料理に舌鼓を打ち、とても充実した一日となりました。

豪雪地帯では大型除雪車が行き交い、各家庭では雪下ろしや雪かきが行われていました。
一方で、この雪があるからこそ、美味しいお米が育つという話も聞き、自然との共生について考えさせられます。

雪国の人にとっては日常でも、私にとっては非日常。
その中でアートや暮らしに触れることで、物事を多角的に見る大切さに気づかされた一日でした。

清津峡駐車場からトンネル入り口に向かう途中の景色
トンネルに入ってから最初に見える外の景色
アート作品のトイレで、ここに2つ実際に使用できるトイレが存在
外の渓谷が見えるところにも雪が吹き込んで来ています
パノラマステーション
雪に覆われている清津峡の看板
越後妻有里山現代美術館 MonET
冬季限定作品:雪待ち囲い 大型のかまくらのトンネルみたい
実際に手に取って身につけることが可能
こちらも実際に着用している方がいました〜
新しい展示作品
昼食会場の入り口に干支の馬を雪像で作ってくださっていました
雪見御膳
お品書きで 大皿で取り分けていただいた料理は記載なし
複数の大きな雪だるまがグラウンドで迎えてくれていました
木のおもちゃで木玉を転がすと木琴のように音が響きます
丸シールアート
丸シールアート作品で断片的な逸話
理科室
色と音の部屋
のぞいて景色を見る作品に使われているのはマステ?
光の部屋
木湯で木玉がたくさん入っています
紙の部屋で新聞紙が敷き詰められていたりガムテープの作品
最後の教室
白い布が敷き詰められプラスティックケースが並ぶ教室が続く
2階の廊下だったかな
1階の廊下だったかな
影の劇場
雪深くて周りの景色が全く見えない場所にある廃校でした

訪問日:2026年1月24日(土)
往路:東京駅(上越新幹線)→ 越後湯沢駅(バスツアーで旅程に記載の場所を巡る)
復路:越後湯沢駅(上越新幹線)→ 東京駅

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