秩父には、思いがけない自然体験がありました。
カエデの森で行う「メープルシロップ作り体験」です。
カナダのサトウカエデとは異なり、日本ではイタヤカエデの樹液から作るメープルシロップ。
森の中で樹液を採取し、その場で味見をし、じっくりと煮詰めて仕上げていきます。
その過程の中で感じたのは、「自然の恵み」と「人の手のぬくもり」。
秩父の森で出会った、静かな体験の記録です。
秩父の森でメープルシロップ作り体験
秩父がメープルシロップの産地と知り、興味がわいて参加した「メープルシロップ作り体験」ができる、『秩父の恵み メープルツアー in 横瀬』。内容は、樹液採取 → 樹液の味見 → 樹液を煮詰めてシロップ作りという流れでした。
イタヤカエデの樹液採取
現地では急峻な山のイタヤカエデに針のような器具をさし、樹液をタンクに貯める仕組みを見学。実際に設置作業を体験してみると、斜面での作業は想像以上に大変で、樹液を集めてタンクを山から下ろす作業がいかに重労働かを実感しました。
この日は2月の寒い時期で、正直もっと暖かい季節に体験できたらと思っていました。ですがスタッフの方から「樹液の採取はこの時期でないとできないんです」と教えていただき、この体験が季節限定の貴重なものだと知りました。
自然の甘みをそのまま味わう樹液
この日は寒さのため、採取した樹液が凍ってしまっていましたが、山で実際に味見をさせてもらいました。透明な水のように見えるのに、ほんのりと自然な甘さがあり、口当たりがやわらかく美味しいものでした。
煮詰めて生まれる“秩父のメープル”
カナダのメープルシロップがサトウカエデから作られるのに対し、日本ではイタヤカエデを使用します。採取した樹液を40倍に煮詰めてシロップにするため、完成までには時間も手間もかかります。
樹液を煮詰める作業は根気のいるもので、量もほんのわずか。だからこそ、秩父のメープルシロップが高価で貴重なのだと納得しました。煮詰めて完成したシロップは、黒糖のような深みのある甘さと自然のコクがあり、ひと口で幸せな気分に。
森の恵みをいただくひととき
採取した樹液を使った紅茶もいただきました。無色透明な液体から立ち上る木の香りと、ほのかな甘みが紅茶に溶け合い、心も体も温まる味わいでした。
カナダでは平地でサトウカエデを自動化して採取しているそうですが、秩父では人の手でひとつひとつの木と向き合いながらつくられている──そんな温もりを感じる体験となりました。




コメント