千葉県勝浦市にある鵜原理想郷を歩いてきました。
JR鵜原駅から徒歩で向かい、手掘りのトンネルを抜けて手弱女平へ。
太平洋を望む岬を歩き、毛戸浦や白い鳥居が立つ鵜原海岸まで足を延ばしました。
実際に歩いたコースや途中で迷った場所、海岸の景色などを写真とともに紹介します。
前日に知った切符で、房総へ
2026年2月、房総半島へひとり旅に出かけました。
きっかけは、出発の前日に偶然知った「サンキュー♥ちばフリー乗車券」。
せっかくならこの切符を使って、以前から気になっていた勝浦の海岸を歩いてみようと思ったのが始まりです。
前年の「かつうらビッグひな祭り」でこの街を訪れたとき、海沿いの風景が強く印象に残り、「次は海岸を歩いてみたい」と思っていました。
ただ、この時点では鵜原理想郷をこれほど歩き回ることになるとは思っていませんでした。
勝浦駅の観光案内所で鵜原理想郷について聞いてみる
特急「新宿わかしお」で勝浦駅に到着したのは9時前。
すぐに鵜原へ向かわず、まずは遠見岬神社のひな祭りを見に行き、そのあと勝浦駅の観光案内所に立ち寄りました。
実は、鵜原理想郷について詳しく調べていなかったからです。
「理想郷」という少し不思議な名前も気になり、「いったいどんなところなんだろう?」というのが正直なところ。
山の中を歩く場所でもあるため、女性ひとりで訪れても問題ないのか、観光案内所の方に聞いてみました。
ひとりで歩いても問題ないと聞いてひと安心。
それなら行ってみようと、勝浦駅から普通列車に乗り、鵜原駅へ向かいました。
鵜原駅から徒歩で鵜原理想郷へ
鵜原駅に到着後、鵜原理想郷まで歩いて向かい、10時半頃から散策を始めました。
はじめは舗装された道を進みますが、鵜原理想郷へ入ると手彫りのトンネルが現れます。
ひとつ抜けると、またトンネル。
内部は薄暗く、水が滴っているところもありました。
さらにこのときは周囲を歩いている人の姿もなく、ひとりで歩いていると少し心細くなってきます。
「またトンネルか……」と思いながらいくつか抜けていくと、やがて舗装路が終わり、土の道へ。
ここからは木々に囲まれた、ハイキングコースらしい道になっていきました。
土の道をしばらく進むと、「南房総国定公園 鵜原理想郷」と書かれた大きな案内看板のある場所に出ました。
ここで少し迷います。
手弱女平へ向かいたいのですが、看板の前を進むのか、それとも看板の裏へ続く道へ入るのかがよく分かりません。
ちょうど近くにいたグループの方たちも同じように迷っていたところ、前方から歩いてきた方がいたので道を尋ねてみました。
すると、手弱女平へ向かうのは看板の前ではなく、裏側へ続く道とのこと。
教えてもらった道へ入り、木々に囲まれた細い道をさらに進んで手弱女平へ向かいます。
手弱女平|太平洋と断崖の景色が広がる
木々に囲まれた道を進んでいくと、急に視界が開け、「手弱女平」と書かれた標柱のある場所に出ました。
それまで薄暗いトンネルや木立の中を歩いてきただけに、目の前に太平洋と断崖が広がる景色を見たときは、「来てよかった~!」と思いました。
手弱女平では、周辺を歩きながらいろいろな方向から海を眺めました。
白っぽい岩肌の先には鐘があり、その周辺まで歩いてみました。
岩の表面は滑りそうに見えるところもあったため、足元に気をつけながら進みました。
鐘のある場所から海を眺めると、遠くにはかつうら海中公園の海中展望塔が見えました。
別の方向には小さな港と青く透き通った海、その先には幾重にも重なる地層が見える断崖もあり、見る方向を変えるたびに景色が変わります。
海を見下ろす場所にはお地蔵さんの姿もありました。
手弱女平はひとつの展望場所から景色を見るというより、周辺を歩きながらさまざまな海岸の風景を楽しめる場所でした。
鐘のところでは、先ほど案内看板の前で一緒に道を迷っていた方たちとも再会。
写真を撮ろうとしていたので、声をかけてシャッターを押しました。
黄昏の丘へ|予定を延ばしてもう少し歩く
もともとは手弱女平まで歩いたら戻るつもりでした。
ところが、想像していた以上に海の景色がきれいで、まだ午前中だったこともあり、「もう少し歩いてみようかな」と予定を変更しました。
先ほど道に迷った案内看板のところまで戻り、今度は看板の前を通る道を進んで黄昏の丘へ向かいます。
黄昏の丘にはテーブルやベンチがあり、犬を連れたご夫婦がのんびり休憩していました。
ここからの眺めも素晴らしく、海岸線に沿って幾重にも重なる地層の断崖が続いています。
右側に目を向けると、青い海と白い砂浜も見えました。
よく見ると、その砂浜には白い鳥居が立っています。
「あそこにも行ってみたい」と思い、近くにいたご夫婦に海岸への行き方を聞いてみました。
すると、鵜原理想郷の入口まで戻って大きく回らなくても、途中から海岸へ下りられる道があるとのこと。
行き方を教えてもらい、このあと海岸にも立ち寄ってみることにしました。
大杉神社へ|途中で初めてキョンに遭遇
黄昏の丘から、今度は大杉神社へ向かって歩いてみることにしました。
その途中、茂みの中に何かいることに気づきます。
よく見るとキョンでした。
野生のキョンを見るのは、このときが人生初。
すぐそばにいるので少し緊張しながら、「ちょっと大人しくしててよ……」と声をかけ、その横を通り過ぎました。
このあとも鵜原理想郷を歩いている途中でキョンを見かけ、この日は全部で3回遭遇しました。
道の先にある大杉神社に立ち寄ったあとは、来た道を黄昏の丘方面へ戻ります。
毛戸岬へ向かったつもりが毛戸浦へ
途中、岬から海を眺める場所に出ました。
遠くには、手弱女平からも見えていた、かつうら海中公園の海中展望塔も見えます。
このときは場所を勘違いしていたのですが、ここが毛戸岬でした。
私は次に毛戸岬へ向かうつもりで歩き始めました。
このあたりで「青の洞門はどこですか?」と尋ねられましたが、私は「青の洞門」という名前を聞くのもこのときが初めて。
入口で撮影していた案内図を確認してみてもよく分からず、「私も初めて来て、少し迷いながら歩いているので分からないんです」と答えました。
そのまま進んでいくと、道は次第に細くなり、登山道のような雰囲気になってきました。
途中には使われていないように見える建物もあり、茂みの中ではこの日2度目のキョンにも遭遇します。
「本当にこの道でいいのかな」と心細くなってきたところで、向こうから歩いてきた方とすれ違いました。
この先へ行けるのか尋ねてみると、「行けますよ。きれいな景色ですよ」と教えてくれました。
その言葉に安心して坂道を下っていくと、木々の向こうに海が見えてきました。
たどり着いたのは毛戸浦です。
目の前には幾重にも地層が重なる大きな岩壁がどーんと広がり、その迫力に思わず圧倒されました。
岬から見下ろしていた地層を、今度はすぐ近くから見上げることになり、岩の大きさもよく分かります。
海の近くまで歩いてみると、水は底が見えるほど澄んでいました。
ここまでの道がかなり心細かっただけに、「きれいな景色ですよ」と教えてくれた方の言葉にも納得です。
毛戸浦にいたのは、私のほかには若いご夫婦らしき二人だけ。
静かな海岸で、岩や海を眺めながらしばらく過ごしました。
このときは知らなかったのですが、毛戸浦には「青の洞門」と呼ばれる場所があり、潮が引いたときに姿を現すそうです。
少し前に「青の洞門はどこですか?」と尋ねてきた方が探していたのは、この辺りだったことをあとから知りました。
黄昏の丘から見えた鵜原海岸へ
毛戸浦の景色を十分に楽しんだあとは、来た道を再び上ります。
次に向かったのは、先ほど黄昏の丘から見えていた白い砂浜です。
犬を連れたご夫婦に教えてもらった道を、今度は間違えないように確認しながら進み、海岸へと下っていきました。
白い鳥居が立つ鵜原海岸
道を下っていくと、鵜原海岸に出ました。
毛戸浦では大きな岩や地層に囲まれていましたが、こちらは白い砂浜が広がる明るい海岸です。
先ほど黄昏の丘から見えていた白い鳥居も、今度はすぐ近くにありました。
この鳥居は、鵜原海岸に立つ八坂神社の一ノ鳥居です。
この日は潮が引いていて、鳥居の足元までよく見えていました。
白い砂浜に白い鳥居、その向こうには青い海と空。
この日は天気にも恵まれ、「これは癒されるわ~」と思いながら、しばらく海岸の景色を眺めていました。
鵜原海岸から鵜原駅へ
鵜原海岸の景色を楽しんだあとは、鵜原駅へ戻りました。
当初は手弱女平まで往復するつもりでしたが、景色の美しさに惹かれて予定よりずっと長く歩き、毛戸浦や鵜原海岸まで足を延ばす散策になりました。
今回は途中で道に迷った場所もありました。
鵜原理想郷を歩く際は、現地の案内図などでコースを確認しながら進むと安心だと思います。


































🌊 房総半島をめぐった旅の記録
鵜原理想郷を歩いたこの旅では、安房小湊の誕生寺と鯛の浦にも立ち寄り、翌日は南房総の野島埼灯台へ向かいました。 外房から南房総へ、海沿いをめぐった記録はこちらです。


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