旧岩崎邸庭園を再訪|薔薇を見に行くつもりが洋館散策になったゴールデンウィーク

アートと文化

ゴールデンウィークの晴れた日、再訪した東京大学本郷キャンパスでのんびり散策を楽しみました。
ベンチでサンドウィッチを食べたあと、「薔薇の季節だから見に行こう」と向かったのは旧岩崎邸庭園。ところが到着してから、頭の中で思い描いていたのは旧古河庭園だったことに気づきます。
思いがけない再訪となりましたが、三菱財閥岩崎家の旧邸宅を歩きながら、前回とは異なる賑わいや建物の魅力を改めて感じることができました。


東大本郷キャンパスから上野方面へ

2026年のゴールデンウィーク、青空が広がる日に、身近な場所で自然散策を楽しもうと思い、東京大学本郷キャンパスを再訪しました。

新緑の中を歩き、キャンパス内のベンチでサンドウィッチを食べてひと休み。 午後は上野方面へ散策に出ようか、でも連休中だから混雑していそうだなと思いながら、携帯で地図を眺めていました。

すると、旧岩崎邸庭園が近くにあることに気づきます。

「あ、薔薇の季節だから見に行こう。前回は薔薇が少なくて残念だったから、今回はちょうど見頃かもしれない」

そう思って、旧岩崎邸庭園へ向かって歩き始めました。

けれど、この時の私の頭の中にあったのは、完全に旧古河庭園の景色でした。 薔薇が咲く洋館前の庭園を思い浮かべながら歩いていたので、本郷キャンパスからこんなに近かったなんて、と思ってもまだ間違いに気づきません。

到着して気づいた勘違い

入口の前に着いた瞬間、

「あ……旧古河庭園じゃない」

と、ようやく気づきました。

しかも、ここは以前にも訪れたことがある旧岩崎邸庭園です。 薔薇を見に来たつもりが、まさかの場所違いでした。

ゴールデンウィークということもあり、チケット売場には人が並んでいます。 前回訪れた2025年2月は、並ばずにチケットを購入してそのまま中に入ることができたので、この時点で前回との違いを感じました。

せっかくここまで来たので見学していくことにし、かつて馬車が通っていたという馬車道を上っていきます。

塀の北端の装飾部分には、三菱の社章デザインの基調となった岩崎家の家紋「三階菱」が彫刻されているという説明を、前回聞いたことを思い出しました。

三菱財閥の旧邸宅を歩く

坂を上ると、洋館が見えてきます。

ヨーロッパの貴族の邸宅のようでもあり、小さな迎賓館のようでもある、華やかで気品のある建物です。

館内へ入る際は、靴を袋に入れて持ち歩きます。 見学は洋館から始まり、そのまま和館へと続き、和館側が出口になります。

玄関周辺も多くの人で混み合っていました。 そして今回初めて知ったのが、土日祝日は館内の写真撮影ができないということです。

前回は平日に訪れていたため、何も知らずに館内の写真を撮っていました。 今回は撮影できない分、建物そのものをじっくり見学しようと思いながら歩きました。

写真は撮れなくても、細部の美しさに目を向ける

洋館の中は、階段や天井、壁紙、暖炉まわりなど、細部に至るまで見事な装飾が施されています。

以前訪れた旧前田家本邸洋館を思い出させるような階段や、華やかな空間もありました。

広々とした応接室、金唐紙の壁紙、美しく飾られた暖炉。 随所に、さすが三菱財閥と思わせる豪華さがあります。

前回訪れたときは、当時のまま残された調度品の数々を前に、100年以上の時を超えてその場に立ち、このようなものを目にできることに心が踊りました。

今回は写真を撮ることはできませんでしたが、その時のことを思い出しながら、改めて建物の雰囲気を味わう時間になりました。

庭園側から見る洋館とサンルーム

旧岩崎邸庭園は、現在では当時の敷地のおよそ3分の1ほどの広さになっています。

それでも、洋館、撞球室、和館大広間の3棟が現存しており、見学することができます。

庭園側から眺める洋館は、特に印象的です。 連続するアーチや装飾的な列柱が並び、優雅でお洒落な雰囲気が漂っています。

庭園を望むように設けられたサンルームも美しく、外と一体になったような開放的な空間です。 明治時代の日本に、このような空間があったことに改めて驚かされます。

当時の人々は、サンルームや2階のテラスから芝生の庭園をどのような気持ちで眺めていたのでしょうか。

そんなことを想像しながら、庭園側から洋館を眺めました。

和館と撞球室へ

洋館に続いて見学する和館は、現在見どころとなっているのは大広間が中心です。 洋館ほど時間はかからず、さらりと見学しました。

現在、和館で見学できるのは書院のある大広間をはじめとした一部の部屋ですが、当初は14室あり、建坪は550坪もあったそうです。

ここでもまた、財閥の圧倒的なスケールを感じます。

洋館と和館を見学したあとは、洋館の北側に建つ撞球室へ向かいました。

撞球室とはビリヤードルームのことです。 ビリヤードを楽しむためだけに専用の建物が設けられているという点にも、当時の暮らしぶりがしのばれます。

この建物は洋館や和館とは雰囲気が異なり、山小屋風の趣があります。 華やかな洋館とはまた違う、少し遊び心のある建物に感じました。

さらに、撞球室は地下通路で洋館とつながっているそうです。 前回、その説明を聞いて「地下通路を歩いてみたい」と気になっていたことを思い出しました。

帰宅してからホームページを確認すると、地下・撞球室ガイドが月に1回開催されていることを知りました。 気になる方は、訪問前に公式ホームページで開催日を確認してみるとよさそうです。

前回とはまったく違う印象の再訪に

前回訪れた2025年2月は、洋館も和館も撞球室も人がまばらで、ときには自分ひとりだけになる時間もありました。

ゆっくりと見学しながら写真を撮ることができ、静かな時間の中で建物の細部を楽しめた印象があります。

一方、今回はゴールデンウィークということもあり、多くの人で賑わっていました。 館内では、人の頭越しに展示をのぞき込むような場面もあり、前回との違いを強く感じます。

土日祝日は館内の撮影もできないため、写真を撮りながらゆっくり見学したい方には、平日の訪問がおすすめかもしれません。

薔薇を見に行くつもりが、まったく別の場所へ来てしまった今回の散策。 うっかりした勘違いから始まった再訪でしたが、前回見た調度品や建築の美しさを思い出しながら、もう一度この場所を歩く機会になりました。

思いがけない寄り道でしたが、こういう偶然も散策の楽しさのひとつなのかもしれません。


※記事中の館内写真は2025年2月の訪問時に撮影したものです。
今回はゴールデンウィーク中の再訪でしたが、土日祝日は館内撮影ができないため、前回撮影した写真と今回の見学時の感想をあわせてご紹介しています。


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