坂手島を徒歩で散策|江戸川乱歩ゆかりの村万商店と若宮神社・坂手海水浴場

三重県鳥羽市・坂手島の坂手海水浴場と弧を描く砂浜 三重

三重県鳥羽市の坂手島は、坂や階段の多い細い路地に住宅が並ぶ離島です。

江戸川乱歩の妻の実家「村万商店」や若宮神社、倭姫命の伝承が残る姫の浜などを訪ね、坂手海水浴場まで歩きました。

この記事では、約1時間の徒歩散策で巡った場所や集落の様子、定期船でのアクセスについて紹介します。


菅島から定期船で坂手島へ

2026年10月3日、三重県鳥羽市の離島・坂手島を訪れました。 この日は当初、菅島だけを散策する予定でした。

鳥羽のビジターセンターで「菅島を12時20分に出発する船に乗れれば、坂手島にも行けますよ」と教えてもらいました。

ただ、菅島での所要時間が読めなかったため、坂手島は時間に余裕があれば立ち寄る候補として、ウォーキングマップだけ受け取っておきました。

実際に菅島を歩いてみると、おんま浜へ向かう山道は時間の都合で見送ることに。 その結果、12時20分発の鳥羽市営定期船「きらめき」に乗ることができ、12時35分に坂手島へ到着しました。

菅島から坂手島までは約15分。 ただし、菅島を出発する船がすべて坂手島に寄港するわけではないため、2島を続けて訪れる場合は、事前に時刻表を確認しておく必要があります。

坂手島で下船したのは私一人でした。 船着場にはスタッフの方と、荷物の積み下ろしをしている方がいました。

坂と階段が多い、迷路のような坂手島の集落

港から集落へ入ると、住宅が密集する中に細い路地が入り組んでいました。 平坦な道ばかりではなく、あちこちに坂や石段があり、住宅の間を縫うように道が続いています。

鳥羽のビジターセンターで入手したウォーキングマップを持っていましたが、イラスト地図のため細かな道の位置関係がわかりにくく、何度も迷いました。

歩いていて目についたのが、あちこちに置かれた手押し車です。 自転車も見かけましたが、散策中、車は走っているものも駐車しているものも一台も見かけませんでした。

坂や階段が多く、道幅も狭い集落では、手押し車が日常の荷物運びに使われているのかもしれません。

また、ピンク色や赤茶色など、特徴的な色の外壁を持つ建物が目につきました。 木製の雨戸や格子が残る古い建物もあり、集落を歩く中で印象に残った風景です。

集落のあちこちで見かけた猫たち

坂手島で印象的だったのが、猫の多さです。

午前中に訪れた菅島では猫を一匹も見かけませんでしたが、坂手島では集落のあちこちで猫を見かけました。

ただし、近づくと逃げてしまう猫も多く、写真を撮るのはなかなか難しいものでした。

ようやく撮影できたのは、道端で休んでいた2匹の猫です。 茶トラの猫は寝たままでしたが、もう一匹はすぐにこちらに気づき、逃げようとしていました。

細い路地や階段、手押し車、そしてあちこちにいる猫たち。 同じ鳥羽市の離島でも、菅島とは異なる坂手島の集落の様子が興味深かったです。

江戸川乱歩の妻の実家「村万商店」を探す

坂手島には、推理作家・江戸川乱歩の妻の実家である村万商店が残されています。 かつて商店を営んでいた建物で、現在は営業していません。

村万商店を探して歩いていましたが、細い路地が入り組んでいて、なかなか場所がわかりませんでした。 そこで、通りかかった島の方に道を尋ねました。

話を聞くと、その方は村万商店の親戚だそうです。 「行くなら電話してあげようか」と申し出てくださいましたが、現在は誰も住んでいないとのことだったので、お気持ちだけありがたくいただきました。

教えてもらった場所まで行ってみると、商店らしいひさしのある建物と、ウォーキングマップのイラストに似たピンク色の建物がありました。 どちらが村万商店なのか、現地では確信が持てませんでした。

帰りの船を待つ間、船着場のスタッフの方に尋ねたところ、ピンク色の木造建物が村万商店だとわかりました。 建物には案内板や看板がなかったため、教えてもらわなければ特定できなかったと思います。

村万商店の前にある盆踊りの広場

船着場のスタッフの方からは、村万商店の前の空間で盆踊りが行われていたという話も聞きました。

スタッフの方はその場所を「広場」と呼んでいましたが、実際には周囲を建物に囲まれた小さなスペースです。 あの場所で盆踊りが行われていたと聞いて驚きました。

帰宅後に調べてみると、実際に村万商店の前に櫓が組まれ、提灯が飾られた盆踊りの写真が見つかりました。 少なくとも2010年代には、この場所が盆踊りの会場として使われていたことがわかります。

若宮神社を参拝

村万商店の周辺を歩いた後は、林昌寺へ向かうつもりでした。 ところが、また道に迷ってしまい、若宮神社にたどり着きました。

若宮神社は、1908年(明治41年)に島内の10ほどの社が合祀された神社です。

石造りの鳥居をくぐると、木々に囲まれた参道が続いています。 さらに石段を上った先には、薄いピンク色の社殿がありました。

住宅が密集する集落の中にありながら、境内には木々が多く、周囲の路地とは異なる景色が広がっていました。

姫の浜へ|倭姫命が上陸したと伝わる海岸

若宮神社の次は旧坂手小学校へ行こうと思いましたが、再び道がわからなくなりました。

道ですれ違った方に尋ねると、かなり戻った場所から坂道を上る必要があるとのことでした。 現在地からは姫の浜の方が近そうだったため、予定を変更して海岸方面へ向かうことにしました。

姫の浜は、倭姫命が上陸したと伝えられる場所です。 伊勢神宮にゆかりのある倭姫命の伝承が、この小さな島にも残されています。

姫の浜周辺まで歩くと、それまでの細い路地とは違い、視界が開けて海が見えてきました。 防波堤の向こうには島々が連なり、海岸沿いには岩場もありました。

坂手海水浴場の美しい海と砂浜

さらに歩いて坂手海水浴場へ向かいました。

坂手海水浴場には弧を描く砂浜があり、目の前には青く澄んだ海が広がっていました。 対岸には緑の山並みが見え、海上には小さな船も浮かんでいました。

この日は天気にも恵まれ、海の透明度が高く、とてもきれいでした。

当初は林昌寺や旧坂手小学校も訪れるつもりでしたが、海岸の景色を十分に楽しめたこともあり、今回はここまでにすることにしました。

坂手漁港から鳥羽マリンターミナルへ

海岸から港へ戻る途中には、坂手漁港に停泊する漁船が見えました。 港の対岸には鳥羽方面の建物や山並みも望めます。

坂手島には船の待合所があり、帰りの船が来るまで待つことができました。

帰りは13時40分発のチャーター船に乗り、13時55分に鳥羽マリンターミナルへ到着しました。

この便は鳥羽市営定期船の時刻表に掲載されている小型のチャーター船です。 通常の定期船とは異なり、デッキ部分を歩いて乗り降りするタイプでした。

チャーター船はバリアフリーに対応しておらず、荷物の持ち込みにも制限があります。 利用する際は、事前に最新の時刻表と案内を確認しておくと安心です。

坂手島から鳥羽までは通常便で約10分ですが、今回のチャーター船は時刻表どおり15分で到着しました。

坂手島での滞在時間は約1時間5分。 当初は菅島だけを訪れる予定でしたが、坂手島にも立ち寄ったことで、細い路地が入り組む集落や美しい海岸を歩くことができました。

坂手島の港に設置された島内案内図
坂手島の住宅の間に続く細い石段
坂手島の細い路地に置かれた手押し車
坂手島の集落で休む2匹の猫
江戸川乱歩の妻の実家である坂手島の旧村万商店
江戸川乱歩の妻の実家「村万商店」。建物に案内板はありませんでした。
坂手島の若宮神社の石鳥居と参道
坂手島の若宮神社の社殿
島内の複数の社が合祀された若宮神社
坂手島の姫の浜と海岸沿いの風景
倭姫命が上陸したと伝わる姫の浜
坂手海水浴場の弧を描く砂浜と穏やかな青い海
坂手海水浴場。弧を描く砂浜と対岸の山並み
坂手漁港に停泊する漁船と対岸の風景
坂手島の船着場にある待合所
坂手島の船着場に停泊する鳥羽行きの小型チャーター船
坂手島から鳥羽への帰りに利用したチャーター船

🚢 鳥羽の離島を歩く

鳥羽市の菅島では、集落から山道を歩いて旧陸軍の監的哨跡や菅島灯台を訪ねました。 坂手島とは異なる、海沿いの風景や山道を巡る散策です。

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