三重県鳥羽市の菅島で、しろんご浜や白髭神社、国の重要文化財に指定されている菅島灯台、旧軍の監的哨を徒歩で巡りました。
約2時間半の滞在で歩いた海岸や山道、漁師町の様子を、実際の散策ルートとともに紹介します。
鳥羽マリンターミナルから定期船で菅島へ
2026年10月3日、三重県鳥羽市の離島・菅島を訪れました。 鳥羽マリンターミナルから鳥羽市営定期船に乗り、約15分で菅島に到着します。
ターミナル内には各航路の出航時刻や運航状況を表示するデジタル案内板がありました。 港には三重県の応援ポケモン「ミジュマル」がデザインされた船も停泊していましたが、今回乗船したのは「かがやき」という船です。
船のデッキからは鳥羽の海や島々、行き交う船を眺めることができました。 菅島港に近づくと、漁船が並ぶ港と、その背後に広がる緑の山が見えてきます。
菅島港からしろんご海道を歩く
菅島港に到着後、まずは港周辺を散策しました。 沖ノ島へ渡る橋からは、港に停泊する定期船や漁船、集落の様子を見渡せます。 橋から歩いてきた方向に振り返ると、灯台のような塔を備えた菅島小学校の建物もしっかり見ることができます。
その後、港周辺からしろんご海道の方向へ向かい、しろんご浜を目指して歩き始めました。
港を離れると、菅島灯台やしろんご浜を示す道標が現れます。 しろんご海道は海を眺めながら歩ける区間もあり、途中からは木々に囲まれた道へと変わっていきました。
しろんご海道を歩き始めて間もなく、海へ向かって延びる古いレールを見かけました。 この場所にはかつて造船所があり、船を移動させるために使われていたレールだそうです。
途中には自由に使える竹の杖が置かれていたので、一本借りることにしました。 この杖は、後に監的哨へ向かう山道で大いに役立つことになります。
しろんご浜と白髭神社
しろんご浜へ続く遊歩道
しろんご海道を進むと、しろんご浜と菅島灯台への分岐があります。 まずはしろんご浜へ向かいました。
途中の海岸を見て、最初はここがしろんご浜なのかと思いましたが、案内図を確認すると目的地はさらに先でした。 遊歩道を進み、分岐から浜へ下りていきます。
しろんご浜には砂浜と岩場が広がり、沖には島々が見えました。 この日は浜に観光客や釣り人の姿はなく、道中でも誰ともすれ違いませんでした。 海上には小型の船に乗った二人が作業をしている様子が見えましたが、陸上には人影がなく、少し心細く感じる場面もありました。
浜の近くにはトイレと東屋も設けられています。
白髭神社を参拝
しろんご浜では、毎年7月に海女の祭典「しろんご祭」が行われます。 海女たちがつがいのアワビの初採りを競い、最初に採れたアワビを白髭神社に奉納して、豊漁と海上安全を祈願する祭りです。
しろんご浜を訪れた後、近くの白髭神社へ向かいました。 海岸から石段を上がると鳥居があり、さらに階段を進んだ先に社殿があります。
木々に囲まれた境内には、クリーム色の社殿に赤い屋根が印象的な白髭神社が建っていました。 参拝を済ませ、再び浜へ戻りました。
岩場の先まで歩いてみる
浜へ戻ると、海岸の端にある岩場の先へ進めそうな場所があることに気づきました。 近づいてみると、その先にも海岸が続いています。
岩場を越えた場所からは、先ほど歩いていた砂浜を別の角度から眺めることができました。 波打ち際にはコンクリート製の構造物が残っており、波が当たっていました。
重要文化財・菅島灯台へ
しろんご浜から遊歩道に戻り、次は菅島灯台へ向かいました。 灯台までは緩やかな上り坂が続きます。 道中には灯台までの距離を示す道標があり、木々に囲まれた道を進んでいきます。
やがて視界が開け、白い円筒形の菅島灯台が見えてきました。 青空を背景に立つ灯台は、1873年(明治6年)に初点灯した、現存する日本最古のレンガ造り灯台です。 現在も現役で使われています。
英国人技師ブラントンが設計した明治初期の灯台
菅島灯台は、英国人技師R.H.ブラントンの設計により、1872年(明治5年)1月に着工しました。 翌1873年7月1日に初点灯し、同月8日の竣工式には西郷隆盛ら政府高官が出席したと伝えられています。
菅島周辺は古くから海上交通の難所で、江戸時代には船の目印となるかがり火が設けられていました。 菅島灯台は、その役割を引き継ぐ形で建設された洋式灯台です。
「日本の灯台50選」に選ばれているほか、2009年には近代化産業遺産に認定され、2022年9月には国の重要文化財に指定されました。
付属官舎は博物館明治村へ移築
かつて灯台の隣には、灯台を管理する職員が暮らすレンガ造りの付属官舎がありました。 この建物は現在、愛知県犬山市の博物館明治村に移築保存されています。
旧菅島燈台付属官舎も1968年(昭和43年)に国の重要文化財に指定されており、明治初期の洋風建築を伝える建物として保存されています。
灯台内部はしろんご祭の時期に特別公開
菅島灯台は通常、外観からの見学となりますが、7月のしろんご祭に合わせて内部が特別公開されることがあります。 今回訪れた10月3日は内部に入れなかったため、外観を見学しました。
白く塗られた円筒形の塔には小さな窓があり、上部には灯器を囲む回廊が設けられています。 建物の近くには文化財指定を示す表示や、灯台についての説明板も設置されていました。
監的哨へ|蜘蛛の巣に苦労した約300mの山道
菅島灯台を見学した後、監的哨へ向かいました。 監的哨は、かつて海上で行われる砲撃訓練の着弾状況などを観測するために使われた施設です。
分岐の道標には、監的哨まで300mと表示されていました。 道幅は狭く、舗装されていない山道ですが、整備されており、急な坂もありません。 普通の山道としては比較的歩きやすい道でした。
ただし、この日は蜘蛛の巣が非常に多く、歩くのに苦労しました。 菅島灯台までの道にも2〜3か所ほど蜘蛛の巣がありましたが、監的哨への道では次から次へと現れます。
しろんご海道の途中で借りた竹の杖を使い、前方の蜘蛛の巣を払いながら進みました。 杖がなければ顔や髪に蜘蛛の巣がかかってしまいそうな状況で、写真を撮る余裕もありませんでした。 わずか300mの道のりが、ずいぶん長く感じられました。
監的哨の建物と海の眺望
蜘蛛の巣を払いながら進み、ようやく監的哨に到着しました。 木々に囲まれた場所に、コンクリート造りの建物が残っています。
建物には横長の開口部が設けられ、内部から海を観測できる造りになっています。 コンクリートには傷みが見られ、鉄筋が露出している部分もありました。
事前にビジターセンターで古い建物だと聞いていたため、内部には入らず、入口から中の様子を撮影しました。
建物の横には外階段があり、そこを上がると海を見渡せる場所に出ます。 周囲には島々が点在し、鳥羽の海を広く眺めることができました。
見学後は同じ山道を戻りました。 一度蜘蛛の巣を払った道でしたが、再び張られているかもしれないと思い、帰りも竹の杖を上下に振りながら歩きました。 監的哨から分岐までの帰り道は緩やかな下りとなり、往路より早く感じられました。
後に坂手島の船着場のスタッフから、午前中の散策では蜘蛛の巣に遭遇することがよくあると聞きました。 今回のような状況は季節や時間帯によって変わると思いますが、山道を歩く際には長めの杖があると安心です。
漁師町を通って菅島港へ戻る
監的哨への山道を戻った後、分岐から港方面へ向かいました。 その先には急な下り坂があり、坂を下りると住宅が並ぶ集落に入ります。 両側を高い塀に囲まれた狭い路地もありました。
集落で特に目についたのが、後部に荷物を載せるための棚や籠のようなものを取り付けた原付バイクです。 道を走っているものも、家の前などに停められているものも多く見かけました。
軽トラックも見かけましたが、圧倒的に多かったのは原付バイクでした。
途中では、曹洞宗の冷泉寺にも立ち寄りました。 冷泉寺は三重梅花百観音霊場の第31番札所で、本尊は釈迦如来です。
監的哨までの山道を無事に往復できたので、そのお礼も兼ねて軽く参拝しました。
港の近くでは、陸に引き上げられた漁船を見かけました。 船の下にはレールが延びており、修理作業が行われていました。
しろんご海道の途中で借りた竹の杖を返却し、菅島での散策を終えました。
菅島港には大きな待合所や自動販売機があり、人の出入りも絶えませんでした。 地元の人たちがおしゃべりしている様子も見られ、港は島の人々が集まる場所にもなっているようでした。
菅島散策の所要時間と注意点
2026年10月3日は、9時53分に菅島港へ到着し、12時20分発の定期船で島を離れました。 島での滞在時間は約2時間半、実際に散策していた時間は約2時間です。
この間に、港周辺、しろんご浜、白髭神社、菅島灯台、監的哨を徒歩で巡りました。 帰りは集落を通って港へ戻っています。
山道と蜘蛛の巣について
しろんご海道は比較的歩きやすい道ですが、監的哨へ向かう約300mは道幅の狭い未舗装の山道です。 急峻ではなく整備もされていましたが、訪問時は蜘蛛の巣が非常に多い状況でした。
貸出用の竹の杖が役立ちました。 杖がない場合は、落ちている長めの枝などで代用することも考えられますが、周囲の植物を傷つけないよう注意が必要です。
携帯電話の電波と一人歩き
監的哨付近では携帯電話の電波が弱く、Google検索やGoogleマップが表示されないことがありました。 おんま浜へ足を延ばすか迷い、その場で道順を調べようとしましたが、確認できませんでした。
また、しろんご浜へ向かう道中や浜ではほかの人に会わず、少し心細く感じることもありました。 道標は設置されていますが、事前に散策ルートを確認し、時間に余裕を持って歩くことをおすすめします。
定期船の時刻を確認しておく
菅島へは鳥羽マリンターミナルから鳥羽市営定期船を利用します。 便数が限られているため、帰りの船の出航時刻を確認してから散策を始めると安心です。
運航時刻や運賃は変更される場合があるため、最新情報は鳥羽市の公式案内で確認してください。
また、菅島の散策ルートについては、鳥羽市が「菅島ウォーキングマップ」をWeb上でも公開しています。 島内の道順や注意箇所を確認できるので、訪問前に目を通しておくと参考になります。
























🚢 鳥羽の離島を歩く
菅島を散策した後は、定期船で坂手島へ渡りました。 坂手島では、江戸川乱歩の妻の実家「村万商店」や若宮神社を訪ね、細い路地が入り組む集落から坂手海水浴場まで歩きました。


コメント