越中の小京都・城端を歩く|元銭湯「桂湯」と蔵回廊を巡る雪の町散歩

アートと文化

雪景色の五箇山を訪れたあと、世界遺産バスで辿り着いた「越中の小京都」城端。
寺内町として発展した歴史ある町並みを歩きながら、古い銭湯「桂湯」で見つけたユーモア溢れる貼り紙に思わず笑顔に。
雪の静けさと人の温かさが交差する、心に残る散策の記録です。


城端 散策|越中の小京都で見つけた懐かしさと笑いのひととき

雪景色の五箇山を訪れた後、世界遺産バスで城端駅まで戻り、駅周辺をゆっくりと歩きました。
城端(じょうはな)は、善徳寺の寺内町として栄え、絹織物産業で発展した町。
「越中の小京都」とも呼ばれ、落ち着いた町並みが広がっています。

最初に訪れたのは「城端曳山会館」。ユネスコ無形文化遺産にも関わる城端曳山祭の展示施設で、豪華な山車や衣装などが間近で見られます。
そのすぐ近くには、圧倒的な門構えを誇る「城端別院善徳寺」。雪の中に佇む姿は荘厳で、思わず足を止めて見入ってしまいました。

今町通りを進むと、土蔵が並ぶ美しい街並みが現れます。
そしてその先にあったのが、レトロな元銭湯「桂湯」。
大正ロマンを感じる外観で、今も営業しているのかと思うほどに当時の姿を残しています。
実際には、2004年に約120年続いた浴場としての営業を終え、今は脱衣所や浴場だった空間をそのままに、手作り雑貨や小物を販売するお店として再生されています。

そんな桂湯で、思わず足を止めたのがこの貼り紙。

『18才と81才のちがい』

道路を暴走するのが18才、逆走するのが81才
心がもろいのが18才、骨がもろいのは81才
偏差値が気になるのは18才、血糖値が気になるのは81才
恋に溺れるのが18才、風呂で溺れるのが81才
まだ何も知らないのが18才 もう何も覚えていないのが81才
自分探しの旅をしているのが18才、出かけたまま分からなくなって皆が探しているのが81才

思わず笑ってしまい、どこか温かい気持ちになるような言葉。
古い銭湯の空気と相まって、町の人のユーモアと優しさを感じました。

さらに裏通りにある「蔵回廊」も趣のある場所。
野村家の土蔵4棟を利用して作られた通りで、格子戸・白壁・石畳が続き、小京都らしい風情に包まれています。
テレビや映画の撮影にも使われるというのも納得の美しさです。

もう一つ印象に残ったのは、「吉村絹織工場」の跡地。
板張りの建物に渡り廊下が続き、往時の賑わいを想像させてくれます。
今は老朽化が進み、保存の見通しが立っていないようで、絹織の町としての歴史が静かに消えていくのかと思うと、少し寂しい気持ちになりました。

短い時間の滞在でしたが、雪に包まれた城端の町は、どこか懐かしく、
そして、人のぬくもりが感じられる場所でした。

前編の記事はこちら👇
雪景色の五箇山・相倉と菅沼合掌造り集落 もあわせてどうぞ。

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