四国八十八ヶ所・第四番札所「大日寺」参拝記|三十三観音の回廊と境内の見どころ

四国八十八ヶ所第四番札所・大日寺の朱色の鐘楼門と背後の山々 四国

四国八十八ヶ所の第四番札所・大日寺は、朱色の鐘楼門や江戸時代に建立された本堂、西国三十三観音が並ぶ回廊などが見どころのお寺です。

この記事では、本堂・大師堂・薬師堂などの建物の歴史に加え、境内の八幡社や「蛤水」と呼ばれた水にまつわる手水鉢についても紹介します。


四国八十八ヶ所・第四番札所「大日寺」へ

2026年10月6日、徳島県板野町にある四国八十八ヶ所の第四番札所・大日寺を訪れました。

前日は大雨のため、第三番札所・金泉寺で参拝を切り上げました。翌朝は雨が上がり、曇り空のなか車で大日寺へ向かいました。この日最初の参拝です。

大日寺は三方を山に囲まれた場所にあり、境内は比較的こぢんまりとしています。

朝から6組ほどの参拝者が訪れており、帰る頃には団体客やグループ客もやって来ました。 写真にはあまり人が写っていませんが、実際には思っていた以上に参拝者の多い朝でした。

大日寺の歴史と鐘楼門

大日寺の山号は黒巌山、院号は遍照院です。 寺伝によると、弘仁6年(815年)に弘法大師がこの地で大日如来を感得し、一刀三礼して大日如来像を彫ったことが寺の始まりと伝えられています。

その後、寺は荒廃と再興を繰り返し、江戸時代には徳島藩主・蜂須賀家による建立や修復も行われました。

境内の入口に建つ朱色の鐘楼門は、平成30年(2018年)に再建されたものです。 二層の楼門で、上層には鐘が吊られています。

門には「黒巌山」の扁額が掲げられ、左右には寺号と四国霊場第四番を示す木札が掛かっています。

鐘楼門をくぐると石畳の参道が続き、正面に本堂が見えます。 背後には緑の山々が広がっていました。

本堂・大師堂と境内の建物を巡る

本堂は大日堂とも呼ばれ、本尊は大日如来です。 慶安2年(1649年)に建立された建物で、寛政11年(1799年)には修復が行われています。

石段の上に建つ本堂は、境内では比較的控えめな大きさです。 参拝時にはそれほど古い建物とは思いませんでしたが、帰宅後に調べて、江戸時代前期に建立されたことを知りました。

本堂には和様を基本としながら禅宗様式も取り入れられており、軒下の装飾には徳島藩主・蜂須賀家の家紋も見られるそうです。

一方、弘法大師を祀る大師堂は本堂より間口が広く、最初は本堂と間違えそうになりました。 建立年代は江戸時代末期と考えられ、平成27年(2015年)には屋根の修復が行われています。

本堂と大師堂の間には、西国三十三観音を安置した回廊が設けられています。

境内には薬師堂もあります。 唐破風のある入口が特徴で、本堂や大師堂とは異なる外観です。 現在の建物は昭和期に建て替えられたものです。

薬師堂の創建年代は不明ですが、寛政12年(1800年)の『四国遍礼名所図会』には、薬師堂とみられる建物が描かれています。

かつては床が土間造りで、病気になったお遍路さんが寝泊まりする「通夜堂」の役割も担っていたそうです。

境内の池には八幡社が建っています。 寛政12年(1800年)の『四国遍礼名所図会』にも描かれているお社で、現在の建物はコンクリート製に建て替えられています。

回廊に並ぶ西国三十三観音

大日寺で特に印象に残ったのが、大日堂と大師堂を結ぶ回廊です。 回廊のガラス窓の内側には、西国三十三観音霊場にちなんだ33体の観音像が並んでいます。

仏像がずらりと並ぶ様子は見応えがありましたが、ガラス越しのため、もう少し近くで見たいと思いました。 写真を撮ろうとしてもガラスに周囲の景色が反射し、細部を写すのは難しい状態でした。

帰宅後に大日寺の公式サイトを調べると、これらの観音像は江戸時代に寄進されたものと伝えられており、平成の大改修事業で修復されていることがわかりました。

また、西国三十三所の各札所の本尊をそのまま再現したものではなく、実際の本尊とは異なる様式の仏像も含まれているそうです。

寄進者は徳島周辺だけでなく、大阪や高知、長崎など各地に及んでいます。

文政5年奉納の手水鉢と「蛤水」

境内の手水舎には、砂岩をくりぬいて造られた手水鉢があります。 鉢には文政5年(1822年)に奉納されたことを示す刻字が残っています。

参拝時にこの手水鉢を撮影していましたが、帰宅後に公式サイトを見て、200年以上前に奉納されたものだと知りました。

かつては湧水を引き込んでおり、水が白く濁っていたことから「蛤水(はまぐりみず)」と呼ばれていたそうです。 現在は上水道の水が使われています。

大日寺の横には小川が流れており、今回の参拝でもその小川を見かけました。 公式サイトによると、現在でも時期によっては水が白く濁ることがあるそうです。

第四番札所・大日寺のアクセス・参拝情報

所在地:徳島県板野郡板野町黒谷字居内28番地
開門時間:8:00〜17:00
駐車場:あり(普通車20台、無料)

Googleマップによる徒歩の目安は、第三番札所・金泉寺から約1時間10分、第五番札所・地蔵寺までは約30分です。

大日寺の鐘楼門に掲げられた黒巌山の扁額と寺号を示す木札
大日寺の境内にある池と、その中に建つ八幡社
境内の池に建つ八幡社。江戸時代の絵図にも描かれている
大日寺の石段の上に建つ江戸時代前期建立の本堂
慶安2年(1649年)建立の本堂
四国八十八ヶ所第四番札所・大日寺の弘法大師を祀る大師堂
本堂より間口の広い大師堂
大日寺の唐破風のある薬師堂の入口
かつて病気のお遍路さんが寝泊まりした通夜堂の役割も担っていた薬師堂
大日寺の回廊にガラス越しに並ぶ西国三十三観音の仏像
本堂と大師堂を結ぶ回廊に安置された三十三観音
大日寺の手水舎にある文政5年奉納の砂岩をくりぬいた手水鉢
文政5年(1822年)奉納の手水鉢。かつての湧水は「蛤水」と呼ばれていた
山々を背景に本堂や大師堂が建つ第四番札所・大日寺の境内

🙏 四国八十八ヶ所・徳島の札所を巡る

大日寺の一つ前にあたる第三番札所・金泉寺も訪れました。 大雨のなかでの参拝となりましたが、本堂や大師堂、境内の見どころを紹介しています。

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