南沢あじさい山を再訪|朝の静けさと木漏れ日に包まれる紫陽花散策

南沢あじさい山入口の案内看板と見頃を迎えた紫陽花 山・自然散策

2026年6月末。東京都あきる野市にある南沢あじさい山を、2年ぶりに再訪しました。

前回は夕方近くの訪問で、湿度の高い山の空気が印象に残っていましたが、今回は朝一番のシャトルバスで現地へ。
木漏れ日や朝露に彩られた紫陽花を眺めながら、静かな山道をゆっくり歩いてきました。

この記事では、南沢あじさい山の見頃やシャトルバス、園内の様子、そして朝の時間帯に歩いて感じた魅力を紹介します。

2年ぶりに訪れた南沢あじさい山へ

金沢へ帰省して実家の片付けをしていた際にぎっくり腰になってから約20日。痛みもほとんどなくなり、腫れも引いてきたことから、通院している病院で「電車に乗って少し出かけてみて、その後の様子を次の診察で教えてください」と言われました。

先生がおっしゃっていたのは都心方面への外出でしたが、朝のラッシュや人の多さを考えると、まだ少し不安があります。そこで思い浮かんだのが、2年前に訪れた南沢あじさい山でした。

武蔵五日市駅から無料シャトルバスが運行されるのは6月30日まで。前回歩いた記憶では、園内は急な坂道ではなく緩やかな起伏が続く程度だったので、無理をしなければ歩けそうです。

それでも電車の揺れによる腰への負担は気になったため、立川駅まではグリーン車を利用し、そこから武蔵五日市線へ乗り換えて向かうことにしました。

シャトルバス乗り場が「フレア五日市」に変わっていた

武蔵五日市駅に到着すると、以前シャトルバスの待機場所だった観光協会前付近に案内が見当たりません。

少し探してみると、昨年オープンした地域交流拠点「フレア五日市」の前が新しい乗り場になっていました。係の方もいらっしゃり、この日の一番乗りは私でした。

バスを待っている間、「金比羅山まで歩いてきたらいいよ」と声を掛けていただきましたが、「今日はぎっくり腰のリハビリを兼ねて来たので、さすがにそこまでは……」とお話しすると、「少し動かした方が治りは早いけど、無理はあかんね」と笑顔で返してくださいました。

さらに、「このところ雨や台風の日が続いていたけれど、台風の翌日の日曜日はたくさんの人が来ていたよ。雨なんて関係ないんだね」と教えてくださり、紫陽花を楽しみに訪れる人の多さを改めて感じました。

実際、今年は雨の日が続いたおかげで紫陽花の状態が良く、当初7月4日までだった開園期間も7月12日まで延長されたそうです。

シャトルバスには10名ほどが乗車し、約10分で南沢あじさい山へ到着。帰りもバスを利用したため、協力金とバス代を合わせて1,400円を支払いました。帰りのバスを利用しない場合は協力金1,000円のみです。

朝一番だからこそ出会えた、心地よい空気

2年前にも歩いているので園内の様子は分かっています。それでも今回はぎっくり腰のこともあり、一歩一歩慎重に歩き始めました。

ところが、歩き始めてすぐに前回との違いに気付きます。

前回は夕方近くの訪問で、湿度が非常に高く、山全体に空気がこもっているような印象でした。まるでサウナの中を歩いているようで、汗が噴き出してきたことを今でも覚えています。

それに比べて今回は朝一番。湿度は少し高いものの空気は爽やかで、時折雲の間から差し込む木漏れ日が紫陽花を優しく照らしています。

葉や花には朝露が残り、川のせせらぎや鳥の声、湿った土や木々の香りを感じながら歩く時間は、とても心地よいものでした。

平日の朝ということもあり人も少なく、自分のペースでゆっくり散策できます。写真や動画も人の写り込みを気にすることなく撮影でき、朝一番ならではの贅沢な時間を過ごすことができました。

50年かけて育てられた紫陽花の山

入口から続く道には、ガクアジサイやホンアジサイが両側から覆いかぶさるように咲き誇り、歩いていると花や枝が衣服に触れるほどです。

東屋の裏には、このあじさい山を築いた南澤忠一さんが株分けした紫陽花を育てていた畑が広がり、今もたくさんの花を咲かせています。

東屋を過ぎた先にあるデッキテラスや展望台周辺は、この山でも特に見応えのある場所です。谷へ向かって一面に広がる紫陽花を眺めながら、「これを一人で50年かけて植え続けた」という事実を思うと、その年月と労力の大きさに驚かされました。

さらに、その想いは地域の若い世代へと受け継がれ、今も毎年多くの人がこの景色を楽しめるよう守られています。

道沿いにある南澤家のお墓の前では、自然と立ち止まりました。これほどの景色を残してくださったことへの感謝の気持ちが込み上げ、「ありがとうございました」という思いを込めて静かに手を合わせました。

写真では伝わりきらない景色

デッキテラスや展望台からは写真や動画をゆっくり撮影できましたが、谷の下まで続く紫陽花の奥行きや花の密度は、写真ではどうしても伝えきれません。

実際に歩くと、斜面いっぱいに咲く紫陽花に包まれるような感覚があり、その迫力は現地でしか味わえない景色だと改めて感じました。

また、園内は急な登り坂はなく、全体的に緩やかな坂道なので、のんびり散策を楽しめます。ただし、この日は雨が続いた後だったこともあり、舗装されていない道にはぬかるみが残っていました。滑りにくいスニーカーなどで訪れるのがおすすめです。

久しぶりに夢中で歩いた一日

リハビリを兼ねて恐る恐る歩き始めた一日でしたが、気が付けば腰のことを忘れるほど夢中になって紫陽花を眺めていました。

2年前とはまったく違う朝の表情に出会えたこと、そして多くの人の想いによって守り続けられているこの景色を再び歩けたことは、私にとって忘れられない時間になりました。

もし訪れる機会があれば、朝の静かな時間帯にも足を運んでみてほしいと思います。木漏れ日や朝露に彩られた紫陽花を眺めながら歩く時間は、きっと心地よいひとときになると思います。

南沢あじさい山の両側に咲く紫陽花の小道
南澤忠一さんのちゅういっちゃんの畑への道の両脇にも紫陽花
南澤忠一さんが株分けした紫陽花を育てる畑
朝露が残る白いガクアジサイ
南沢紫陽花山に咲いていたダンスパーティという品種の紫陽花
南沢紫陽花山の紫陽花が続く小道の様子
谷へ向かって咲き広がる南沢あじさい山の紫陽花
展望台から眺めた南沢あじさい山の紫陽花群生
南沢あじさい山の紫陽花の群生地
両脇に紫陽花が咲いている南沢あじさいの小道
見頃を迎えた南沢あじさい山の光景
南沢あじさい山から見た茅葺き屋根
南沢あじさい山の小道

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