2026年9月。東京都調布市仙川にある、キユーピーの見学施設「マヨテラス」へ行ってきました。
実際にマヨネーズを製造している工場ではありませんが、館内では映像や展示、体験を通して、マヨネーズが作られる工程や品質を守る仕組みについて学ぶことができます。
今回はガイドツアーに参加し、製造工程や卵の活用、品質管理の仕事について話を聞いたほか、5種類のマヨネーズの食べ比べも体験しました。
この記事では、実際に参加した見学の流れに沿って、マヨテラスで見たこと・聞いたことを紹介します。
- マヨテラスへ|工場跡地でマヨネーズについて学ぶ見学施設
- 受付後は展示や撮影スポットを見ながらツアー開始を待つ
- 「ファクトリーウォーク」から見学スタート
- 卵のトンネルを抜けてマヨネーズの製造工程へ
- 1分間に600個|割卵機で卵黄と卵白に分ける
- 機械だけでは終わらない|卵黄を確認するのは人の目
- 充填から箱詰めまで|自動化されたマヨネーズの製造ライン
- 卵黄だけではない|卵を余すことなく活用
- 品質を守る仕事を体験|60秒で正しい原料を探す
- 間違いを防ぐだけでなく、働く人の不安も減らす
- 5種類のマヨネーズを食べ比べ|料理や保存の話も
- 商品展示では家庭で役立つ使い方も紹介
- 巨大マヨネーズの中へ|最後の見学エリア
- 日本でマヨネーズが発売されたのは1925年
- 国によって違う世界のマヨネーズ
- なぜ油と酢が混ざる?|卵黄の働きで乳化
- マヨネーズのおいしさを守る|酸素を防ぐさまざまな工夫
- 見学後のお土産|私は燻製マヨネーズを選びました
- ショップにはキユーピーやマヨテラスのグッズも
- マヨテラス見学中の撮影について
- マヨテラスの予約とアクセス
マヨテラスへ|工場跡地でマヨネーズについて学ぶ見学施設
マヨテラスは、キユーピーの旧仙川工場跡地にある見学施設です。
訪れる前は、実際の製造ラインがない施設でどのような見学になるのか、あまりイメージできていませんでした。
受付後は展示や撮影スポットを見ながらツアー開始を待つ
受付を済ませたあとは、ツアー開始まで受付エリア周辺の展示や撮影スポットを見ることができます。
館内には大きなマヨネーズのキャップを使った撮影スポットや、キユーピーの商品を紹介する展示などがありました。
中でも面白かったのが、マヨネーズのキャップを取っ手にした商品展示です。
赤や白、水色など色の違うキャップが並び、扉を開けると、その色に対応する商品を見ることができます。
普段は何気なく見ていたマヨネーズのキャップですが、こうして並べてみると種類の多さに驚きました。
「ファクトリーウォーク」から見学スタート
ツアーの時間になると、ガイドさんの案内で「ファクトリーウォーク」へ進みます。
入口の先には、両側から空気が吹き出す通路がありました。
実際の工場ではありませんが、工場へ入るときのような雰囲気を体験しながら見学が始まります。
最初の部屋では、マヨネーズの原料や製造から出荷までの大きな流れについて説明を聞きました。
卵や植物油などの原料からマヨネーズが作られ、容器に詰められたあと、箱詰めされて出荷されるまで。
まずは全体の流れをつかんでから、さらに詳しい製造工程へ進んでいきます。
卵のトンネルを抜けてマヨネーズの製造工程へ
次に通ったのは、壁いっぱいに卵が並ぶ通路です。
片側にはたくさんの卵を使って描かれたキユーピー。
反対側には、マヨネーズの主な原料である「卵・植物油・酢」が大きく表現されていました。
この先では映像を見ながら、マヨネーズがどのように作られているのかを詳しく聞いていきます。
映像そのものには音声がなく、映像に合わせてガイドさんが製造工程を説明してくれるスタイルでした。
1分間に600個|割卵機で卵黄と卵白に分ける
マヨネーズ作りで最初に驚いたのが、卵を割るスピードです。
工場では「割卵機」と呼ばれる機械を使い、1分間に600個もの卵を割っているそうです。
1秒にすると10個。卵は機械の中で割られ、卵黄と卵白に分けられていきます。
映像では実際に卵が次々と割られていく様子を見ることができ、ガイドさんは割卵機の一部を再現したものを使いながら仕組みを説明してくれました。
卵は浅いカップ状の金属部分に収まり、下から殻にひびを入れて左右に開き、中身を落としていく仕組みになっていました。
機械だけでは終わらない|卵黄を確認するのは人の目
1分間に600個という速さで処理されますが、すべての卵がきれいに卵黄と卵白に分かれるわけではありません。
途中で卵黄が崩れてしまうこともあるため、流れてくる卵黄を人が目で確認しています。
ガイドさんは、割れた卵黄を見つけたときの操作も実演してくれました。
該当する卵の位置に対応した部分を手で「パンッ」と弾くように操作すると、その卵黄が通常の流れから取り除かれます。
さらに印象に残ったのが、ガイドさん自身も、ここが仙川工場だったころに割卵の工程を担当していたという話です。
流れていく卵黄をじっと見続ける仕事は、慣れないうちは気分が悪くなってしまうこともあるのだとか。
製造ラインの多くが機械化されていても、最後は人の目で確認する工程があることを知りました。
充填から箱詰めまで|自動化されたマヨネーズの製造ライン
卵黄は植物油や酢、調味料などと混ぜられ、マヨネーズになります。
できあがったマヨネーズを詰めるボトルにも工夫がありました。
ボトルは口の部分が閉じた状態で工場に入り、充填する直前に口部をカットします。
このときボトルを逆さにするのは、切りくずがボトルの中へ落ちないようにするためだそうです。
マヨネーズを充填したあとは、口部に残った空気を窒素に置き換えてキャップを閉め、さらにアルミシールで密封します。
アルミシールは、電子レンジにも使われている高周波を利用して接着するという説明もありました。
その後は袋に入れられ、段ボール箱への箱詰めまで機械で進んでいきます。
梱包に使うテープがなくなると、機械が自分で新しいテープに交換するという説明があり、見学者から思わず「なんて賢いんだ!」という声が上がっていました。
箱詰めされた商品は物流を担うキユーソー便によって運ばれ、スーパーなどへ届けられます。
卵黄だけではない|卵を余すことなく活用
マヨネーズに使われるのは卵黄ですが、残った卵白や殻なども捨ててしまうわけではありません。
卵白はケーキやかまぼこなどの食品に利用され、卵殻膜は化粧品に、卵の殻もチョークなどさまざまな用途に活用されています。
キユーピーグループでは国内で生産される卵の約1割を扱っているそうで、卵を余すことなく活用するための研究も続けられています。
その一つとして紹介されたのが、卵殻の小さな穴が臭いを吸着する性質を利用したごみ袋の研究です。
卵殻を配合した袋を、使用済みのおむつや生ごみなど臭いが気になるものに活用する取り組みが紹介されていました。
品質を守る仕事を体験|60秒で正しい原料を探す
製造工程について聞いたあとは、工場で品質を守るために行われている仕事の一部を体験しました。
棚には塩や植物油、酢などの原料を模した容器がずらりと並んでいます。
画面に表示された指示を見ながら、指定された原料を60秒以内に探します。
確認するのは原料の種類だけではありません。
賞味期限まで正しいものを選び、バーコードを読み取ります。
正しければ画面に「○」、間違っていれば「×」。
実際の工場でも、原料の取り違えや計量ミスなどを防ぐため、コードを読み取って照合する仕組みが使われているそうです。
間違いを防ぐだけでなく、働く人の不安も減らす
ここで印象に残ったのが、ガイドさんから聞いた品質管理の仕組みにまつわる話です。
原料を計量する仕事では、作業を終えて家に帰ってからも「今日の計量は本当に正しかっただろうか」と不安になってしまうことがあったそうです。
機械で照合して記録を残すことで、間違いを防ぐだけでなく、作業する人の不安を減らすことにもつながります。
また、使用した原料の情報が記録されるため、あとからどの原料が使われたのかを確認することもできます。
画面を見ながら原料を探す体験だけならゲーム感覚ですが、その前に実際の工場でこの仕組みが使われる理由を聞いたことで、品質管理の仕事を少し身近に感じることができました。
5種類のマヨネーズを食べ比べ|料理や保存の話も
品質管理の体験を終えると、「キユーピーキッチン」へ移動しました。
ここでは、ニンジンにつけながら5種類のマヨネーズを食べ比べます。
用意されていたのは、定番の「キユーピー マヨネーズ」をはじめ、「キユーピー ハーフ」「キユーピー 血圧ケア アマニ油マヨネーズ」「キユーピー エッグケア(卵不使用)」「キユーピー 燻製マヨネーズ」の5種類です。
キャップも赤・白・紫・水色・黄色とそれぞれ違い、受付近くで見たカラフルなキャップの商品展示がここでつながりました。
水色のキャップの「エッグケア」は卵を使わずに作られた商品。
黄色の「燻製マヨネーズ」にはスモークビネガー(燻製酢)が使われています。
試食をしながら、マヨネーズを使った料理や保存方法などについても話を聞きました。
紹介された料理の一つが「アメリカンケーキ」です。
ホットケーキミックスやミルクココア、牛乳にマヨネーズを加えて作るケーキで、焼き上がるとマヨネーズの味はしないそうです。
さらに「マヨネーズはどこまで行ったことがあるでしょう?」というクイズもあり、答えはなんと宇宙。
宇宙用のマヨネーズは、無重力でキャップが飛んでいかないよう、キャップと容器に面ファスナーが付けられているそうです。
開封後のマヨネーズを冷蔵庫のどこに置くのがよいかというクイズもあり、答えはドアポケット付近。
冷えすぎる場所では分離することがあるためだそうです。
商品展示では家庭で役立つ使い方も紹介
試食のあとは、さまざまなキユーピーの商品が並ぶ展示を見ながら説明を聞きました。
レモンの果皮が入ったタルタルソースやパスタソース、卵黄を使った業務用商品など、家庭ではあまり目にする機会のない商品も並んでいます。
「深煎りごまドレッシング」は、日本で一番売れているドレッシングなのだそうです。
商品を見るだけでなく、家庭で使うときのちょっとしたコツも紹介されました。
ドレッシングを混ぜるときは、ボトルを上下に振るのではなく、手を振るように横方向へ。
また、チャーハンを作るときに油の代わりにマヨネーズを使うと、ご飯がパラパラに仕上がるそうです。
巨大マヨネーズの中へ|最後の見学エリア
見学の最後は、巨大なマヨネーズの形をした「マヨネーズドーム」の中へ入ります。
内部には両側にベンチがあり、ここでは座ってスクリーンを見ながら、マヨネーズの歴史や海外の商品、マヨネーズのおいしさを守る工夫などについて話を聞きました。
日本でマヨネーズが発売されたのは1925年
キユーピーが日本で初めてマヨネーズを発売したのは1925年。
創始者の中島董一郎はアメリカでマヨネーズに出会い、日本人の栄養状態や体格の向上に役立てたいと考え、日本での製造を始めました。
発売当初は現在のようなボトルではなく瓶入りで、館内には当時のマヨネーズも展示されています。
国によって違う世界のマヨネーズ
海外では、それぞれの国の食文化に合わせたマヨネーズが販売されています。
中国では甘いスイートマヨネーズ、タイでは辛みのあるシラチャーマヨネーズなど、日本ではあまり見かけない商品も紹介されました。
同じキユーピーのマヨネーズでも、国によって味や使われ方が違うことが分かります。
なぜ油と酢が混ざる?|卵黄の働きで乳化
マヨネーズの材料である油と酢は、そのままでは混ざらずに分離してしまいます。
そこで重要な役割をするのが卵黄です。
卵黄の働きによって油と酢が混ざった状態になり、マヨネーズができます。
見学の最初に「卵・植物油・酢」という原料を見ましたが、最後には、それぞれの材料がどのような役割をしているのかも知ることができました。
マヨネーズのおいしさを守る|酸素を防ぐさまざまな工夫
マヨネーズのおいしさを保つうえで、大敵になるのが酸素なのだそうです。
マヨネーズを混ぜる工程でも、できるだけ酸素に触れないよう真空状態で混ぜます。
ボトルへ充填したあとも、口部に残った空気を窒素に置き換えてから密封します。
さらに、マヨネーズのボトルそのものにも工夫があります。
ボトルは一枚の素材でできているのではなく、酸素を通しにくい層を挟んだ多層構造になっています。
説明では、実際のボトルを丁寧にはがして何層にも重なっていることが分かる実物も見せてもらいました。
普段何気なく手にしている容器にも、マヨネーズを酸化から守る工夫が施されています。
製造工程で聞いたアルミシールや窒素置換も、ここで「酸素からマヨネーズを守るための工夫」につながりました。
マヨネーズにちょい足し|最後に教えてもらった食べ方
最後には、マヨネーズに別の調味料を合わせる食べ方も紹介されました。
ケチャップやみそ、わさびなどを合わせるほか、意外だったのがオレンジマーマレードとの組み合わせ。
マヨネーズとオレンジマーマレードを合わせてパンに塗り、焼いて食べる方法も教えてもらいました。
見学後のお土産|私は燻製マヨネーズを選びました
見学が終わると、受付でもらった引換券を使ってお土産を受け取ります。
お土産はいくつかの中から一つを選ぶことができ、私は試食にも登場した「キユーピー 燻製マヨネーズ」を選びました。
ほかには定番のマヨネーズなどがあり、ミニサイズのマヨネーズと小さなキユーピー人形がセットになったものも用意されていました。
ショップにはキユーピーやマヨテラスのグッズも
見学後は館内のショップで買い物もできます。
マヨネーズなどのキユーピー商品だけでなく、キユーピーのキャラクターグッズやマヨテラスのグッズも種類豊富に並んでいました。
クリアファイルやフィギュア、チャーム、シール、バッグ、エプロン、ハンカチなどがあり、お土産を選ぶだけでもかなり種類があります。
マヨテラス見学中の撮影について
ガイドツアー中は写真撮影ができません。
受付後の待ち時間には、受付エリア周辺の展示や撮影スポットを撮影することができました。
また、私が参加した日はツアー終了後に撮影可能なエリアを自由に見て回ることができたため、ファクトリーウォークへ戻り、卵のトンネルや品質管理体験の部屋などを改めて撮影しました。
この記事に掲載している見学コース内の写真も、主にツアー終了後に撮影したものです。
マヨテラスの予約とアクセス
マヨテラスの見学は事前予約制です。
開催日時や予約方法、見学条件などは変更される場合があるため、訪れる際はマヨテラスの公式サイトで最新情報を確認してください。
最寄り駅は京王線仙川駅です。
実際に参加してみると、マヨネーズの製造工程だけでなく、割卵機で人が担っている仕事や卵を余すことなく活用する取り組み、品質を守る仕組みまで知ることができました。
巨大なマヨネーズや卵のトンネルなど楽しい展示が目を引きますが、品質管理の仕事を体験したり、5種類のマヨネーズを食べ比べたりと、内容は想像していた以上に工場見学らしいものでした。
























🏭 日本のものづくりと食の現場にふれる旅
企業の工場見学や食品づくりの現場を訪ね、普段何気なく目にしている製品が生まれるまでを学んだ記録です。
製造工程や品質を守る工夫、受け継がれてきた技術など、それぞれの場所で出会った発見をご紹介します。

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