大寒波予報のため弘前行きを断念し、天気予報図とにらめっこした末に向かったのは、以前から気になっていた奈良井宿でした。
長野県塩尻市に位置する奈良井宿は、中山道34番目の宿場町で、日本最長ともいわれる約1kmの古い街並みが残る場所です。
東京から日帰りで訪れることができると知り、冬の静かな宿場町をひとり、ゆっくり歩いてきました。
天候を見極めて、奈良井宿へ
その日は本来、弘前を訪れる予定でしたが、大寒波予報を受けて断念。
代わりに天気予報図とにらめっこしながら、前々から気になっていた奈良井宿を訪れることにしました。調べてみると、東京から日帰りが可能だとわかりました。
新宿駅から特急あずさ5号で塩尻駅へ。そこからJR中央本線に乗り換えて奈良井駅へ向かいます。
塩尻駅まではJR東日本管轄ですが、その先からはJR東海管轄、かつ、奈良井駅ではSuicaなどの交通系ICカードが使えないため、乗り換え待ちの間に切符を購入しました。
奈良井駅到着は11時12分。駅から奈良井宿の街並みまでは、歩いて数分ほどです。
中山道・奈良井宿とは
奈良井宿は、木曽三大宿場町のひとつで、他に馬籠宿、妻籠宿があります。
いずれも日本の情緒を色濃く残す中山道の宿場町で、「奈良井宿」は中山道34番目の宿場町として栄えました。
木曽路は古くから交通の要所として発展し、奈良井宿は木曽路最大の難所・鳥居峠の北側に位置しています。標高は940mと高く、「奈良井千軒」と呼ばれるほど多くの家々が立ち並び、かつては旅人で賑わっていたそうです。
大火に見舞われることがなかったため、江戸末期の形式を残した町家が多く残り、現在は重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
南北約1kmにわたる中山道沿いの街並みは、日本最長の古い街並みとして知られています。
冬の奈良井宿を歩く
奈良井駅の駅舎は風情があり、これから訪れる宿場町への期待が高まります。
到着時は晴れていましたが、時間が経つにつれて大寒波の影響か、小雪が風に舞う天気となりました。
オフシーズンということもあり観光客は少なく、街並みをゆったり散策できます。
「雪がもっと積もっていたら、さらに素敵だったでしょうね」という声も聞こえてきましたが、足元にはうっすら凍った雪が残り、慎重に歩きながらも、十分にノスタルジックな風景を楽しめました。
宿場町を歩いていると、小さなバスとすれ違いました。
これは塩尻駅から奈良井宿まで片道100円で利用できる地域バス「すてっぷくん」だそうです。
宿場町の中で出会った場所
多くのお店は閉まっていましたが、趣ある建物や各所にある水場を眺めながら歩いていると、時代劇に出てきそうな建物の観光案内所が目に入りました。
そのまま鎮神社まで歩き、参拝。
かつて奈良井宿で流行した疫病を鎮めるため、下総国(現在の千葉県)の香取神社から分霊を迎えて祀ったことが、この神社の由来だそうです。
中村邸の見学も予定していましたが、所用のため数時間閉館とのことで今回は断念しました。
木曽の大橋と中山道杉並木
街の方に木曽の大橋について尋ねると、「まもなく修繕に入るから、今のうちに見ておいた方がいい」と教えていただきました。
途中、「凍っているから気をつけて」と声をかけてもらいながら慎重に進みます。
冬季は橋の上が凍結するため立ち入り禁止でしたが、樹齢300年以上の木曽檜で造られた、橋脚のない大橋は、どこから見ても立派な姿でした。
その後は、中山道杉並木へ。
10数本の杉の巨木が並ぶこの道は、当時の中山道そのもの。街道を行き交った旅人の気持ちに、思わず重ねてしまいます。
二百地蔵と八幡宮
杉並木の先には二百地蔵があります。
周辺にあった観音様や地蔵様の石仏を集めて祀った場所で、独特の空気が漂っていました。
近くには八幡宮もあり、こちらも古くからこの地を見守ってきた神社です。
静かな宿場町で過ごす時間
今回はオフシーズンということもあり、営業しているお店は少なかったものの、古の人々が歩いた道をひとり静かに散策でき、まるでタイムスリップしたような時間を過ごすことができました。
また、冬季は通行止めとなる鳥居峠を、ガイドさんとともに薮原宿から歩き、峠を越えて奈良井宿まで行けるツアーがあることも知りました。
次はぜひ、二つの宿場町を結ぶ峠道を、かつての旅人のように歩いてみたいと思います。

































訪問日:2026年1月23日(金)
往路:新宿駅(特急)→ 塩尻駅(中央本線)→ 奈良井駅(徒歩)→ 奈良井宿
復路:往路の逆

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