金沢滞在中に参加した、JR西日本の定期観光「能登路」。
かつて鉄道の急行名に由来するその名の通り、能登半島の外浦を1日かけて巡る旅です。
春のやわらかな光の中、穏やかにきらめく日本海と能登の文化を感じる、心に残るひとり旅となりました。
震災の影響で長らく運休が続いていましたが、2026年は一部日程で再開される動きも見られ、あらためて注目を集めています。
金沢発・定期観光「能登路」とは
2023年3月、金沢滞在中にJR西日本が主催する定期観光「能登路」に参加しました。
このコース名は、かつて能登方面へ走っていた急行列車「能登路」に由来しています。
能登半島の外浦(日本海側)を1日かけて巡るコースで、バスは金沢駅を出発し、千里浜や巌門、白米千枚田、輪島などの名所を効率よく訪れることができます。
千里浜なぎさドライブウェイで旅のはじまり
朝、金沢駅を出発したバスは、まず日本で唯一、砂浜を車で走れる「千里浜なぎさドライブウェイ」へ。
春の柔らかな日差しの中、穏やかに波打つ海岸線を進む時間は爽快そのものです。
潮の香りを感じながら走るこの時間は、「これから能登へ向かう」という旅の高まりを感じさせてくれました。
能登金剛・巌門と機具岩のダイナミックな海岸景観
続いて訪れたのは、断崖絶壁が続く景勝地「能登金剛(巌門)」。
遊歩道を歩くと、岩の間から見える日本海が青く輝いていました。
この日は波も穏やかで、透き通るような海の色が印象的でした。
車窓から見えた「能登二見岩(機具岩)」も、青空と海に映えて美しい姿を見せてくれます。
總持寺祖院で味わう精進料理と静寂の時間
昼食は、曹洞宗の大本山として知られる「總持寺祖院」でいただきました。
精進料理は出汁がしっかりと効いていて、ひとつひとつ丁寧に作られていることが伝わる味わいです。
境内には静かな空気が流れ、木々の緑と建物の佇まいが心を落ち着かせてくれました。
観光の合間に、少し立ち止まるような時間が流れます。
白米千枚田とすず塩田村で感じる能登の暮らし
午後は、世界農業遺産にも登録されている「白米千枚田」へ。
海に向かって段々に広がる田んぼの風景は、能登を代表する景観のひとつです。
この時期は田植え前で、整えられた田の形がより際立って見えました。
晴れた空の下、遠くには「七ツ島」の姿も望むことができます。
続いて訪れた「すず塩田村」では、日本で唯一の揚げ浜式塩田を見学。
人の手で塩をつくる伝統的な製法に、能登の暮らしの歴史を感じました。
輪島駅跡に残る、旅の記憶
旅の最後に立ち寄ったのは、かつての「輪島駅」跡地。
現在は「道の駅 輪島」となっており、施設の奥には線路跡が残されています。
掲げられた「次の駅 シベリア」という表示が印象的で、どこかユーモラスで温かい気持ちに。
かつてこの地を走っていた鉄道の記憶が、静かに残されていました。
能登の美しさと、これからへの想い
公共交通機関だけでは訪れにくい能登ですが、定期観光バスを利用することで、主要な名所を効率よく巡ることができました。
自然の美しさと文化の豊かさ、その両方にふれることができる旅でした。
震災の影響で長らく運休となっていましたが、2026年は日程限定でツアーが再開される動きも見られます。
またいつかこのコースを辿りながら、変わらぬ風景と、新しく歩み出す能登の姿に出会える日を願っています。
── 金沢から出会った、穏やかで青い能登の時間でした。




























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