雪の金沢散策──クリスマス寒波が描いた水墨画のような一日

アートと文化

クリスマス寒波に包まれた2022年12月の金沢。
子供の頃以来の大雪に誘われ、金沢駅から兼六園へ。
白銀の世界を歩きながら、水墨画のような冬の金沢に出会いました。


2022年12月。金沢滞在中に、ちょうど“クリスマス寒波”に見舞われた日がありました。
朝、ホテルの部屋のカーテンを開けると、街全体が白銀の世界に包まれていて、思わず外に出たくなりました。子供の頃に見た大雪を、金沢で再び見るのは初めて。童心に帰るような気持ちで、金沢駅からバスに乗り、兼六園下へ向かいました。

兼六園に着くと、雪はしんしんと降り続き、石川門の屋根や石垣も白く染まっていました。まだ除雪が追いつかず、人が通ってできた細い道を踏みしめながら歩きます。足の裏に伝わる雪の感触が懐かしく、まるで時間が巻き戻ったようでした。

兼六園の池は部分的に凍っているようにも見え、雪をまとった木々や灯籠が水面に映る景色は、まるで水墨画のよう。写真はもちろんカラーですが、モノクロームのような静けさをたたえた世界がそこにありました。これこそが北陸の冬らしさ。凛とした空気の中に、どこか優しさと懐かしさを感じます。

雪の兼六園や石川門を歩いていると、寒さも次第に気にならなくなっていきました。
この景色をもう少し楽しみたくなり、散策を終えたあとも足を延ばして、長町を経由しながら父の施設へと歩いて向かいました。
雪を踏みしめながら歩く道すがら、見慣れた金沢の街並みがいつもと違う顔を見せてくれます。
その一歩一歩に、冬の金沢の静けさと、心がほどけていくような温もりを感じた一日でした。

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