山形レトロ建築散歩前編|山形市郷土館と霞城公園を巡る
の続きとして、やまがた建物時代絵巻を手に山形市内の歴史的建築を巡るまち歩きの後半へ。
今回は、国の重要文化財・文翔館の内部見学をはじめ、紅花文化にゆかりのある蔵や老舗建築を訪ねます。
時代を超えて受け継がれる建物の魅力に触れながら、さらに奥深い山形のまち歩きを楽しみました。
絵巻スタンプ6:文翔館で感じる大正ロマンと重厚な建築美
後半のスタートは、絵巻スタンプ6の「文翔館」。正式名称は山形県郷土館 文翔館(旧県庁舎・旧県会議事堂)で、山形市中心部にある国の重要文化財です。
1916年(大正5年)に完成したレンガ造り3階建ての建物で、イギリス・ルネサンス様式の重厚な佇まいが印象的。1975年まで実際に県庁舎として使われていました。
現在は約10年の歳月をかけて当時の工法で復原・修復され、内部も見学可能。外観だけでなく家具や内装に至るまで、当時の姿が見事に再現されています。
受付で申し込めば、予約不要でボランティアガイドによる案内を受けることができ、入館料・ガイド料ともに無料というのも大きな魅力です。
ガイドツアーで知る意匠と職人技の奥深さ
館内に入るとまず目に入るのは、大理石の柱と3階へ続く壮麗な階段。まるでヨーロッパの邸宅のような空間に、思わず見入ってしまいます。
踊り場には月桂樹をモチーフにしたステンドグラスがあり、柔らかな光が差し込んでいました。
階段に敷かれた赤い絨毯は、国会議事堂にも使われているものと同じで、山形の「オリエントカーペット」による手織り。
一日に数センチしか織れないという話を聞き、その一歩一歩に重みを感じながら階段を上がりました。
正庁では、シャンデリアの光と繊細な漆喰装飾が空間を彩り、紅花やさくらんぼをモチーフにした意匠からは郷土愛も感じられます。
床の寄木細工も見事で、どこを見ても美しさに目を奪われます。
シンボルの時計台は、日本で稼働している中で2番目に古いもの。現在も職人の手によって手動で調整され、100年以上にわたり時を刻み続けていると聞き、深い感慨を覚えました。
見学できなかった議事堂と中庭の静かな魅力
旧県議会議事堂は工事中(2026年9月まで)のため見学できず、楽しみにしていたホールを見ることは叶いませんでした。
しかし、コの字型の建物に囲まれた中庭は石畳とレンガ壁が美しく、静かな時間が流れる印象的な空間でした。
映画「るろうに剣心」のロケ地としても使われたと聞き、さらにこの建物の魅力を実感。
大正時代にタイムスリップしたかのような、非日常の体験ができる場所でした。
絵巻スタンプ5:七日町から紅の蔵へ、レトロ建築を巡るまち歩き
余韻を抱えたまま、七日町御殿堰を通り、次の目的地紅の蔵(旧長谷川呉服蔵)へ向かいます。
途中で見かけた旧西村写真館にも立ち寄り、大正時代から続いた写真館の面影を感じました。
紅の蔵は、紅花商人・長谷川家の蔵座敷を活用した観光施設で、現在は飲食店や土産店、資料館として利用されています。
訪れた際には「時代雛展」が開催されており、華やかな展示を楽しむことができました。
絵巻スタンプ5は、まちなか情報館の受付に設置されています。
絵巻スタンプ3:丸十大屋で感じる老舗の風格
続いて訪れたのは絵巻スタンプ3の丸十大屋。外観のみの見学ですが、歴史を感じる佇まいが印象的です。
紅花商として創業し、現在は味噌や醤油の醸造、カフェ営業も行っています。
なお、内部見学はできないため、スタンプは台紙にあらかじめ印刷されています。
絵巻スタンプ8:乃し梅本舗 佐藤屋で出会う伝統と新しさ
その先には、1821年創業の老舗和菓子店乃し梅本舗 佐藤屋。
伝統の乃し梅をはじめ、現代的な感性を取り入れた和菓子も並び、歴史と革新が共存する魅力的なお店でした。
絵巻スタンプ8は、店内入口の左側に設置されています。
スタンプ完成と、時代を巡るまち歩きの余韻
江戸から明治、大正へと続く建築を巡る今回の散策は、想像以上に奥深く、山形の魅力を再発見する時間となりました。
やまがた建物時代絵巻を手に歩くことで、それぞれの建物の背景や歴史をより身近に感じることができます。
また、スタンプの対象以外にも、時代の面影を感じる建物にいくつも出会い、そのひとつひとつが印象に残る風景でした。
今回見落としてしまった教育資料館(旧山形師範学校本館)も含め、まだ訪れていない建築も多く、次の再訪が楽しみになりました。
時間をかけて守られてきた建物に触れられるこのまち歩きは、山形ならではの貴重な体験だと感じます。
最後に山形市観光案内センターで完成スタンプを押し、「山形舞子ポストカードセット」を記念にいただき、ちょっと嬉しい記念になりました。
こうしてひとつの形として旅の記録が残るのも、スタンプラリーならではの楽しさだと感じます。
ゆっくり歩いた時間ごと、大切な思い出として残る旅になりました。
※文翔館や紅の蔵は、いずれも山形駅から徒歩圏内で巡ることができます。



































前編からのまち歩きはこちら
今回のまち歩きは、霞城公園にある山形市郷土館からスタートしました。
七日町御殿堰やQ1などを巡りながら、少しずつ文翔館へ向かっています。
前編から続けて読むと、よりゆったりとした流れで楽しめると思います。

レトロな建物をめぐる旅が好きな方へ
明治の擬洋風建築に惹かれる方には、松本で訪れた旧開智学校校舎の記事もよろしければ。
山形とはまた違った魅力があって、印象に残る場所でした。


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