湯涌温泉を再訪して──氷室開きの翌日に感じた金沢の夏の記憶

アートと文化

子供の頃に家族で訪れた湯涌温泉。時を経て再び訪れた2022年の夏。懐かしい記憶とともに、金沢の夏の風物詩「氷室開き」と「氷室饅頭」に出会う穏やかな時間を過ごしました。


2022年7月1日。
父の介護で金沢に滞在していたある日、ふと子供の頃の記憶が蘇りました。家族で訪れた湯涌温泉。あの頃はまだ「金沢江戸村」があり、そして「白雲楼ホテル」も健在でした。時が経ち、どちらも姿を消してしまいましたが、懐かしい思い出の風景をもう一度たどりたくなり、金沢の奥座敷・湯涌温泉を訪ねました。

金沢駅兼六園口のバス乗り場から「湯涌温泉」行きに乗り、終点で下車。前日6月30日には「氷室開き」が行われていたそうで、その翌日の訪問となりました。氷室開きとは、江戸時代の風習を再現する行事で、冬の間に氷室(ひむろ)に貯えた雪氷を夏の初めに切り出して徳川家に献上したことに由来します。今では無病息災を願う夏の風物詩として、毎年6月30日に湯涌温泉で行われています。

温泉街を抜け、緑に囲まれた氷室のある池のほとりをゆっくりと散策。氷が取り出された後の氷室を眺めながら、時の流れとともに変わっていく町並みに思いを馳せました。
その後、移転して新しく整備された「金沢湯涌江戸村」も訪ねました。移築された建物はどれも美しく、昔の面影を感じながらも新しい時代の息吹を感じます。

帰りは金沢市街地へ戻り、父が楽しみにしている「氷室饅頭」を購入。金沢では毎年7月1日にこの饅頭を食べて無病息災を祈る習慣があります。
懐かしさと今がつながるような、心温まる一日になりました。

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