松本の観光案内所で偶然手に取ったパンフレット。その美しい赤煉瓦の建物に惹かれ、東京から日帰りで安曇野・禄山美術館を訪ねることにしました。
穂高駅から徒歩6分というアクセスの良さも後押しとなり、今回は建物鑑賞とあわせて錫のペーパーウェイト作成体験にも挑戦。
ひとり旅だからこそ味わえる、静かなアートと文化に触れる一日を綴ります。
建物に惹かれて訪れた禄山美術館
安曇野市にある禄山美術館を訪れました。きっかけは、松本を訪れた際に立ち寄った観光案内所で目にしたパンフレット。赤煉瓦の美しい建物に思わず目を奪われ、「ここは一度訪れてみたい」と感じたのが始まりでした。
調べてみると冬季も開館しており、さらにペーパーウェイト作成体験ができること、穂高駅から徒歩6分という好立地であることもわかり、思い切って足を運ぶことにしました。
新宿から穂高へ、静かな安曇野の町歩き
通常は松本駅で大糸線に乗り換えて穂高駅へ向かいますが、新宿駅から白馬行きの特急あずさを利用すると穂高駅まで直行できるため、今回はあずさを利用しました。
穂高駅を降りると晴れているものの、数日前の雪が少し残る冬景色。歩いていくと、次第に雰囲気のある煉瓦の建物が見えてきて、自然と足取りも軽くなります。
錫のペーパーウェイト作成体験に挑戦
受付で申し込んでいたペーパーウェイト作成体験を伝え、まずは体験場所へ。山小屋のロッジのような空間には薪ストーブがあり、優しい温もりに包まれます。
ペーパーウェイトは3種類から選べ、私は禄山美術館と同じ建物の形のものを選びました。錫を鍋で溶かし、型に流し込み、冷やしてからペンチで余分な部分を切り落とし、ハンマーで形を整えます。
スタッフの方が丁寧に教えてくださり、10分ほどで完成。旅の思い出が形として残る、素敵な体験でした。わさびやりんごのモチーフもあり、完成品の販売もされていますが、せっかくなら体験して作るのがおすすめです。
赤煉瓦の美術館と荻原碌山の彫刻
禄山美術館は、尖塔に不死鳥が舞い、外壁に焼きレンガを積み上げた西欧教会風の建物。彫刻家・荻原守衛(碌山)の作品を展示するため、1958年に開館しました。
赤煉瓦のアーチと尖塔が印象的な碌山館は、今井兼次設計のロマネスク風建築で、荻原碌山がクリスチャンであったことにちなみ、教会を思わせる意匠が採用されています。
今回は冬の訪問だったため、蔦が絡まる姿や紅葉の季節の風景は見られませんでしたが、薄く雪化粧した煉瓦の建物もまた趣がありました。
彫刻と新宿中村屋との意外なつながり
25歳でパリに渡り、ロダンの『考える人』に触れて彫刻を志した荻原碌山。30歳で亡くなるまでに15点の作品を残し、そのうち2点が重要文化財に指定されています。
また、碌山が新宿に構えたアトリエを通じて、新宿中村屋を創業した相馬夫妻と深い親交があったことも知り、思わぬところで旅の記憶と東京の風景がつながりました。
穂高の町で締めくくる、ひとり旅の余韻
彫刻に詳しいわけではないので展示はさらりと鑑賞しましたが、禄山美術館は建物と庭園を含めた空間そのものが心地よく、それだけでも訪れる価値を感じました。
美術館の向かいにある「そば処 寿々㐂」でお蕎麦をいただき、駅へ向かう途中で穂高神社を参拝。
ひとり旅だからこそ、自分のペースで歩き、感じ、味わうことができた安曇野の静かな一日となりました。


























訪問日:2026年1月28日(水)
往路:新宿駅(特急あずさ)→ 穂高駅(徒歩)→ 禄山美術館など散策
復路は往路の逆


コメント