偶然が導いた場所、北澤美術館へ ─ 上諏訪の午後散歩

アートと文化

諏訪大社の4社めぐりを目的に訪れた9月の終わり。午前中に下諏訪の春宮と秋宮を参拝し、残る2社は次の機会にと決めて、午後は上諏訪駅で下車しました。せっかくここまで来たなら諏訪湖を歩いてみようと、駅から湖に向かって歩き始めたとき――「北澤美術館」の看板が目に入りました。
「ここにあったのか!」と足が止まります!
以前から行ってみたいとぼんやり思っていたガラスの美術館✨ まさか諏訪湖のそばにあるとは。これはもう、偶然の縁だと感じ、湖畔を軽く散策したあと立ち寄ることにしました。

北澤美術館の館内は、光そのものが作品を包むように静かで、美しい時間が流れていました。ガレのランプが放つやわらかな灯りに見とれ、ため息が出るほどの繊細な造形に心を奪われます。ガラス越しに見る花々や昆虫の模様が、まるで生きているようで、作品というより“自然の記憶”を見ているような感覚でした。

美術館を出て、来る途中に見かけた「タケヤ味噌」へ。味噌好きの私としてはこのまま素通りして帰れず、立ち寄って試食を楽しみ、気になった味噌をいくつか購入しました。旅先で出会う“おいしい記憶”は、家に帰ってからもまた旅を思い出させてくれます。

また、上諏訪駅のホームには、なんと温泉を利用した足湯がありました。湯気が立ちのぼるホームの光景はなんとも不思議で、しかも温泉卵を作れるという貼り紙まで。こんな駅、なかなかありません。
偶然の発見が重なった一日。湖の風とガラスの光、そして味噌の香りに包まれた上諏訪の午後は、旅の余韻をやさしく残してくれました。

訪問日:2025年9月30日(火)

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