東京発ひとり旅|白山麓の雪国へ──旧白峰村で感じた静かな時間と春の残雪

アートと文化

金沢滞在中に、ずっと行ってみたかった白山麓の小さな集落「旧白峰村」へ。
1日1本のローカルバスに乗り、雪の残る山あいの村をひとり歩きました。
流雪溝の轟音、レンガ造りの水路、雪だるまカフェの温もり──
静けさと人の暮らしが交差する、白山麓の春の旅です。


金沢から1日1本のローカルバスで

2023年3月。金沢滞在中に、以前から訪れてみたかった旧白峰村へ行ってきました。
白峰行きの直通バスは、金沢駅から朝に1本のみ。帰りのバスは15時ごろに白峰を出ますが、終点は鶴来駅まで。
そんな不便さも、この村が“特別な場所”であることを感じさせてくれます。

途中からバスの車内は私ひとりに。
降りるときに運転手さんが「帰りのバスに乗り遅れないようにね。タクシーもいないよ」と優しく声をかけてくれました。


小さな集落を歩く

白峰の集落は、端から端まで歩いても15分ほど。
3月下旬でも残雪があり、天気も山の気まぐれで、麓の晴れ空とは対照的に曇り空が広がっていました。古い木造家屋が立ち並び、静かな時間が流れています。


念願の雪だるまカフェへ

念願だった「雪だるまカフェ」で休憩。
客は私ひとり。まるでお店を貸し切ったような贅沢な時間です。
店内には白峰の冬を感じる装飾があり、ほっと一息つけました。


不思議な“流雪溝”を見に

以前から気になっていた「流雪溝(りゅうせつこう)」も見に行きました。
地元の方に場所を尋ねると、「なんともケッタイなものを見たいんやなぁ」と苦笑されつつ教えてもらいました。

川に向けて勢いよく水が流れ落ちるレンガ造りの水路。
これは、冬に家の周りの雪を捨てるために作られた仕組みで、白峰地区に張り巡らされた水路の出口なのだそうです。
大量の水が滝のように流れ落ちる様子は迫力満点でした。


地元の味と人のぬくもり

「志んさ」でとち餅を買い、「菜さい」では地元の豆腐や揚げなどを購入。
どちらも素朴で温かみがあり、雪国の暮らしを感じさせてくれます。


村の今とこれから

3月末までは冬季休業中の施設も多く、残雪の影響で見学できない場所もありました。
1日1本のバス。乗客の少なさ。
このままだと路線が廃止になってしまうかもしれない──そんな不安もよぎります。

それでも、2月に行われる「雪だるま祭り」にはいつか行ってみたい。
公共交通機関でのアクセスが難しくても、いつかまたこの静かな村を訪れたいと思いました。


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