100年の時を経て復原された「荻外荘(てきがいそう)」が一般公開されたというニュースをきっかけに、荻窪の三庭園――荻外荘、角川庭園、大田黒公園をめぐるひとり旅へ。
昭和の記憶と文学、音楽の香りが今も静かに残る庭園を歩きながら、文化の息づく街・荻窪の魅力を再発見しました。
東京・荻窪の街に残る、静かで美しい3つの庭園。
100年の時を経て復原された「荻外荘(てきがいそう)」、詩人であり出版人でもあった角川源義氏の「角川庭園」、そして音楽評論家・大田黒元雄氏の邸宅を開いた「大田黒公園」。
それぞれの庭には時代の息づかいがあり、訪れる人を静かに包み込むようでした。
ひとりで歩く冬の荻窪――、東京の中に残る歴史と文化の香りをたどります。
東京・荻窪に残る3つの庭園をめぐるひとり旅
2025年2月。冬の柔らかな光の中、歴史散策として荻窪の3つの庭園を訪れました。
この日は、昨年12月に一般公開されたばかりの「荻外荘(てきがいそう)」をはじめ、「角川庭園」、「大田黒公園」を巡る小さな東京発ひとり旅です。
荻外荘 ── 政治の舞台となった邸宅の復原
荻外荘は、築地本願寺を設計した建築家・伊東忠太氏によって昭和2年に建てられた邸宅。
当初は医師・入澤達吉氏の別邸でしたが、のちに近衛文麿氏が移り住み、「荻窪会談」など日本の政治史を語るうえで重要な舞台となりました。
戦後には吉田茂氏も住まわれたことがあるそうです。
建物の中には、当時としては珍しい水洗トイレ、絵柄入りの瓦敷き、東洋趣味の照明、美しい貝細工のテーブル、格子の意匠など、見どころがたくさん。
ガイドの方の説明を聞きながら、昭和初期の文化や美意識に触れる時間を過ごしました。
平日にもかかわらず多くの来訪者があり、関心の高さを感じます。
模型展示で見た池は、丸ノ内線の地下鉄工事で埋められたとのこと。
現在ではその場所に道路や住宅が建ち、時の流れを感じずにはいられませんでした。
角川庭園 ── 詩人の庭に咲く白梅
次に訪れたのは「角川庭園」。
ここは角川書店の創業者であり詩人でもあった角川源義氏の旧邸です。
庭には白梅が咲き始めていて、凛とした香りが冬の空気に漂っていました。
庭を眺めながら、言葉を紡いだ詩人の静かな時間を想像しました。
大田黒公園 ── 音楽と自然が調和する空間
そして最後に訪れたのは「大田黒公園」。
約30年前、紅葉のライトアップの時に訪れて以来、久しぶりの再訪です。
門から続く立派な並木道は、23区内とは思えないほどのスケール。
公園の奥には、大田黒元雄氏の仕事部屋だった洋館があり、初めて中に入りました。
時がゆるやかに流れる空間で、冬の光が差し込む静寂を楽しみました。
東京の中で感じた「静けさ」という贅沢
荻窪3庭園を歩いてみて感じたのは、東京にもまだ「静かな時間」が残っているということ。
歴史ある建築、季節の花、そして文化の香り。
都会の喧騒を少し離れて、自分のペースで歩く時間は、ひとり旅ならではの贅沢でした。


























大田黒公園に紅葉時期に訪れた時の記事はこちら ↓



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