東京から日帰りで楽しめる“大人の社会科見学スポット”として、前から気になっていた石切山脈へ。
白御影石「稲田石」の日本最大級の採石場として知られ、休止した採掘跡には湧き水がたまり、まるで“地図にない湖”のような神秘的な景観が生まれています。
今回は、水戸線・稲田駅から歩いて向かい、プレミアムツアーにも参加。迫力ある採掘現場の裏側を体験した、ひとり旅の記録です。
日本最大級の採石場「石切山脈」へ、大人の社会科見学
前々から訪れたいと思っていた「石切山脈」。岩の割れ目に湧き水がたまり、まるで古代遺跡のような景観を生み出す“地図にない湖”として知られる場所です。明治時代から100年以上採石が続けられてきた、稲田石の日本最大級の採掘現場でもあります。
白御影石「稲田石」とは?
稲田石は約6000年前、海底深くでゆっくり冷えて固まった花崗岩の一種。白く美しいその色調から「白い貴婦人」とも呼ばれています。長石を60%以上含むため白さが際立ち、かつ耐久性に優れていることから、日本橋、東京駅、国会議事堂、最高裁判所など、歴史的建造物にも使用されています。
稲田駅から「石の百年館」へ
最寄駅の水戸線・稲田駅隣には「石の百年館」があり、稲田石の成り立ちや特徴を無料で学べます。展示パネルや石の見本が充実していて、予備知識を得るのに最適です。
徒歩20分で石切山脈へ
石切山脈までは徒歩約20分。バスやタクシーはないものの、道は平坦で迷う心配もありません。入場料300円で第1・第2展示場を見学できます。休止した採石場に湧き水がたまり、湖のような景色が広がる絶景に、期待が一気に高まります。
プレミアムツアーで採石現場の裏側へ
今回は事前予約制のプレミアムツアー(1,000円)にも参加。車で現在採掘中の現場を巡りながら、専門ガイドの説明を聞くことができます。
湖のように見える湧き水エリアは年々水位が上がっているそうで、いずれ現在立っている場所も水没してしまうかも、とのこと。透明な水に反射する稲田石の岩壁は、まさに“地図にない湖”と呼ばれるにふさわしい景観です。
震災で崩れかけた岩とご利益話
ツアーでは、東日本大震災の際に崩れかかった岩が、下にある三角形の岩によって支えられたままの場所も見学。落ちない岩ということで、合格祈願のご利益があるとの噂もあるそうです。
現役の採石場は迫力満点
奥の採石現場では、現在も採石が続けられています。太陽の光を受けて稲田石がきらめき、まるで古代遺跡のような雰囲気。テレビやドラマのロケ地になるのも納得の迫力でした。
昔は手掘りで多くの人手を要していた採石作業も、現在はダイヤモンドワイヤーや機械化により少人数に。断面を見ると、手掘り時代と機械採掘の違いがはっきり分かるのも興味深いポイントでした。
女性は入れない祠のお話
ツアー中、バスの車窓から鳥居のある祠が見えましたが、祀られている神様が女性のため「女人禁制」なのだそう。今も事故防止のため、祈願は男性のみで行われているとのことでした。
旅の締めにモンブランと名水の話を
敷地内では笠間の名物・栗を使ったモンブランも味わえます。石のプレートで提供され、2人でシェアするとちょうど良いとのこと。また、稲田石は水中の鉄分をろ過する性質があり、酒造りに適した水を生むことから「石透水」と呼ばれています。
稲田駅近くの磯蔵酒造では、この水を仕込み水に使った日本酒の酒蔵見学ができるそうで、次に訪れる際の楽しみに取っておきたいと思います。
まとめ:大人の社会科見学にぴったりの場所
石切山脈は、自然・歴史・地質・産業が一体になった学びの宝庫。地図にない湖の絶景と迫力の採石現場は、ひとり旅でも存分に楽しめる“社会科見学スポット”でした。季節ごとに景色も変わるとのことで、また季節を変えて訪れてみたいです。





















































訪問日:2025年12月5日(金)
往路:東京駅(東北新幹線)→ 小山駅(水戸線)→ 稲田駅(徒歩)→ 石切山脈(徒歩)→稲田駅
※この後は、神社仏閣巡りへ
後半の常陸国出雲神社と笠間稲荷神社を訪れた時の記事はこちら ↓

石つながりで・・・大谷石の大谷資料館を訪問した時の記事はこちら ↓



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