東京発で松本をめぐるひとり旅。後編となる今回は、国宝・松本城をはじめ、旧開智学校校舎やあがたの森文化会館など、松本の「アートと文化」が息づくスポットを巡りました。歴史建築の美しさに触れながら、暑さの中でも心が満たされていくような時間でした。
東京発ひとり旅|松本で歩くアートと文化の街めぐり【後編】
2025年6月。はじめて訪れた長野県松本市を歩くひとり旅、後編です。
前編では草間彌生さんの世界が広がる松本市美術館や、歴史と静けさが同居する松本神社、にぎわいの四柱神社などを巡りましたが、後編はさらに松本の文化と建築の奥深さに触れる時間となりました。
■ 国宝・松本城は外観のみ堪能。次回の楽しみに
松本といえば、やはり外せないのが国宝・松本城。漆黒の天守が青空に映え、その存在感だけで圧倒されます。
ただ、この日は気温も高く、さらに多くの観光客が訪れていたため、天守内部の見学は次の機会に。
朝早い時間帯なら、静かな空気の中で天守を楽しめそうだという気づきも得られ、次のお楽しみが増えました。
■ 明治の息吹を感じる「国宝旧開智学校校舎」へ
松本で楽しみにしていたスポットのひとつが、国宝旧開智学校校舎。
明治9年、地元の大工棟梁・立石清重が手がけた擬洋風建築で、洋風とも和風とも言い切れない独特の佇まいが魅力です。
文明開化の空気を反映しつつも、どこか素朴で、見れば見るほど味わい深い造り。装飾の細かなデザインにも個性が光り、玄関上部にある天使のような顔は…どこかおじさんのようにも見える不思議な表情で、思わずクスッとしてしまいました。
向かい側に立つ旧司祭館も、優しい色合いと可愛らしい雰囲気を持つ洋館で、内部では当時の暮らしや建築様式が垣間見えました。
■ 文化の息づく「あがたの森文化会館(旧制松本高等学校)」
次に向かったのは、緑豊かな公園に佇むあがたの森文化会館。旧制松本高等学校として1919年に設立された建物で、現在は市民の文化活動の拠点になっています。
白い木造の校舎はどこか懐かしさを感じさせ、校長室や一般教室が再現されているため、当時の学生の息づかいがそのまま残っているかのよう。
静かに歩くだけで、100年前の空気がそっと流れてくるような場所でした。
松本は美術・建築・歴史が自然と街に溶け込み、歩くだけで文化に触れられる素敵な街。
ひとり旅だからこそ、自分のペースでゆっくりと見て、感じて、心に刻む——そんな贅沢な時間を過ごせました。















前編の記事はこちら ↓



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