熱海梅園で紅葉を楽しんだあとの午後、ふと思い立って足を向けたMOA美術館。
熱海駅から直通バスでわずか7分。相模湾を望む山の上に立つ壮麗な美術館で、東洋美術の名品や特別展に出会い、思いがけず深い余韻を残す時間となりました。
静かで豊かな、ひとり旅ならではの“アートの午後”を綴ります。
熱海の午後、思いがけずMOA美術館へ
熱海梅園で紅葉狩りを楽しんだあとは、前から気になっていたMOA美術館へ向かうことにしました。熱海駅から直通バスが15〜30分間隔で出ており、乗車時間はたったの7分。アクセスの良さもあり、せっかくだからと立ち寄ることに。
バスが急峻な坂道を上がっていくと、目の前に広がるのは熱海市街と相模湾の絶景。小高い丘の上にある美術館は自然と調和するように建ち、そのロケーションだけでも胸が高鳴ります。
壮大な建築と東洋美術の宝庫
MOA美術館は、絵画・書跡・工芸を中心に約3,500点の東洋美術を収蔵。国宝や重要文化財も多く、展示空間そのものが美術品を引き立てるよう設計されています。
館内には、約23万平方メートルもの広大な庭園「瑞雲郷」や、カフェやお食事処も併設。山上の静かな美術空間で、時間がゆっくりと流れます。
心に残った一枚 ― 尾形光琳『白梅図香包』
今回、特に心を奪われたのが尾形光琳の「白梅図香包」でした。下から伸びる梅の枝が二手に分かれ、それぞれが見事に白い花を咲かせています。金地の背景と白梅が織りなすコントラストは、まるで春の情景そのもの。
本来は香包として使われていたため、よく見ると折り目も残されており、時を超えて残った美しさに思わず見入ってしまいました。
企画展「坂東玉三郎衣裳展」も圧巻
訪れた日は、特別企画として坂東玉三郎さんの豪華な舞台衣裳展も開催。刺繍や織物の精緻さ、色彩の美しさは圧巻で、歌舞伎衣裳の芸術性を間近で堪能できました。
次は“紅白梅図屏風”公開の季節に
MOA美術館といえば、毎年梅の時期に公開される国宝「紅白梅図屏風」が有名。瑞雲郷の梅の見頃に合わせての公開となっているようです。
今回の訪問でこの美術館の魅力を深く感じ、次こそは紅白梅図屏風の公開にあわせて再訪したいと思います。
熱海の自然とアートに浸る、静かで豊かなひとり旅の午後でした。










































訪問日:2025年12月3日(水)
復路:熱海駅(バス)→ MOA美術館(バス)→ 熱海駅(東海道本線)→ 東京駅
前半の熱海梅園を訪れた記事はこちら ↓



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