光の工場群をめぐる夜 ─ はとバスで行く川崎工場夜景ツアー

大人の社会科見学

20年前に同僚と船で訪れた川崎の工場地帯。あの時見た光景が忘れられず、再び夜の工場群を見たくなって、はとバス主催の「話題の川崎工場夜景スポットツアー」に参加しました。
日没とともに輝きはじめるプラントの光、運河に映る赤い炎──。非日常の夜景に包まれた夏の夕べを綴ります。


20年ほど前、同僚たちと小型船に乗って川崎の工場夜景を撮影しに行ったことがありました。
その時の幻想的な光景が忘れられず、「はとバスの川崎工場夜景ツアー」に参加しました。

集合は東京駅丸の内南口、16時20分出発。最初の目的地は、川崎キングスカイフロント東急REIホテルで早めの夕食です。大きな窓の向こうには羽田空港の滑走路が広がり、離陸する飛行機が頭上をかすめるたびに心の中で歓声があがります。晴れた青い空に機体が美しく映え、旅の始まりを感じるひとときでした。

食事を終え、次に訪れたのは川崎マリエン。展望台からは東京湾の景色が一望でき、まだうっすら明るい空の下にスカイツリーや東京タワーの姿も。
まもなく出荷されるスバルの車が整然と並ぶ風景も印象的で、足元のマップを使ってガイドさんがこれから訪れる夜景スポットや工場一帯の歴史など興味深いお話をしてくれました。この建物はドラマ『相棒』のロケ地としても知られていて、水谷豊さんのサインなども展示されています。

夕暮れが深まる頃、塩浜運河が見える、とある会社のビルの屋上へ。
地平線がかすかに赤く染まり、工場群の灯りが映えます。

次に向かったのは、川崎工場夜景の聖地とも呼ばれる「市営埠頭」。
神奈川臨海鉄道千鳥線の線路沿いにそびえる工場の光景は、まるでSF映画のワンシーンのよう。
また、車窓から見たプラントの配管が複雑に絡み、炎や煙が夜空を照らす様子は圧巻で、まさに“光の工場群”という言葉がぴったりです。

最後に立ち寄ったのは東扇島東公園。
運河越しに見える浮島町や千鳥町のプラント群からは赤い炎が噴き出し、水面にゆらめきながら映り込みます。

帰り道は、首都高の車窓に広がる東京の夜景──レインボーブリッジや銀座の灯りを眺めながら、21時20分に東京駅へ戻りました。
懐かしさと新鮮さが入り混じる、大人の夏の夜の小さな旅になりました。

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