東京発ひとり旅｜金沢の夜を歩く。ひがし茶屋街と主計町で出会う静寂の時間

金沢の夜は、昼間とはまるで別の表情を見せてくれます。
2023年3月、滞在中に訪れたひがし茶屋街と主計町茶屋街。
ぼんぼりが灯る石畳の路地をひとり歩き、浅野川や犀川にかかる橋を巡りながら、静かな光と影に包まれる時間を過ごしました。ひとり旅だからこそ味わえる、金沢の夜の情緒です。

金沢の夜散歩へ。ひとりで歩く、茶屋街のあかり

2023年3月、金沢滞在中にふと夜の街を歩いてみたくなり、ひがし茶屋街と主計町茶屋街へ。昼間の観光地としての賑わいとは異なり、夜はしっとりとした静けさに包まれています。街灯の明かりに照らされた格子戸、静かに流れる浅野川。どこか懐かしい空気が漂う時間でした。

主計町茶屋街の「暗かり坂」へ

まず向かったのは、主計町茶屋街。その名の通り少し薄暗い「暗かり坂」を見つけました。細い坂道を下ると、格子の町家が立ち並び、川沿いには灯りがぽつぽつと浮かびます。観光客も少なく、ただ川の音と足音だけが響く──まさに“ひとり時間”を味わえる場所です。

桜の季節を前に、ひがし茶屋街を歩く

桜の開花を控えたこの季節、ひがし茶屋街にはぼんぼりが飾られていました。昼間の賑やかな姿とは違い、夜はひっそりと静まり返り、ほのかな明かりに照らされた木造の町家が浮かび上がります。まるで時代が止まったような情景に、ひとり旅の心が穏やかにほどけていきました。

犀川へ──金沢の夜を締めくくる散歩道

その後は、長町武家屋敷跡界隈を抜け、にし茶屋街、そして犀川大橋まで足を伸ばしました。昼間には見えない街の表情、夜風の冷たさ、橋の上から見る水面のきらめき。金沢という町の奥深さを、歩きながら感じられる時間でした。

夜の金沢は明るすぎず、ほんの少しの暗闇があるからこそ情緒が生まれる。ひとり旅の夜にぴったりな、静けさと美しさに包まれた散歩になりました。