2024年1月、冬の金沢をひとりで歩きました。
自遊花人さんの水引ミュージアムや、石川門・桜橋・にし茶屋街などを散策しながら出会った静かな美しさ。震災の余波が残る中で、心に残る温もりのあるひとり旅でした。
2024年1月。この冬は金沢での滞在中、介護の合間に少しだけ街を歩く時間を持てました。震災のニュースが続くなかでも、いつもの街並みの中に変わらず流れる日常を感じたひとり旅のひとときです。
水引の美しさに心を寄せて──自遊花人 水引ミュージアム
以前から気になっていた「自遊花人(じゆうかじん)」さんの水引ミュージアムへ。展示室には、繊細で優雅な水引の作品が並び、光を受けてきらめいていました。一つひとつの結びには「人と人をつなぐ」という願いが込められていると知り、改めてその美しさに見入ってしまいました。震災のことを思う気持ちが少し和らぐような、静かな癒しの時間でした。
石川門から桜橋、そして遠くに見えた白山
ミュージアムに行く前は、石川門から兼六園下へ。冬の澄んだ空気の中、白い雪を頂いた山が桜橋から遠くに見えました。あれは白山だろうか──そう思いながらシャッターを切る。桜橋の上から眺める景色は、金沢らしい静けさと凛とした美しさに包まれていました。
にし茶屋街と長町武家屋敷を歩く
ミュージアムを出た後は、にし茶屋街へ。人通りの少ない石畳の道に、木造の町家が並ぶ。ひがし茶屋街とはまた違う、落ち着いた雰囲気が漂っていました。さらに足をのばして長町武家屋敷界隈へ。土塀と石畳の道が続くエリアを歩くと、金沢の歴史がそっと息づいているのを感じます。
魚菜屋で味わう金沢の味
たくさん歩いた後は、金沢駅にある「魚菜屋」さんで定食を。やさしい味わいの煮魚と小鉢、温かいお味噌汁が冷えた体にしみわたり、ひとりで味わう食事が何よりも贅沢に感じました。いつもより少し疲れていたからこそ、心も体も満たされるごはんの時間でした。
旅の終わりに
この日は観光というよりも、暮らしの延長のような金沢散歩。それでも、歩く道ごとに美しい景色があり、人の手で受け継がれた文化が息づいていました。震災で感じた不安の中でも、変わらずそこにある街のぬくもり。金沢で過ごした静かなひとり旅の時間が、心をそっと整えてくれました。


















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