東京発ひとり旅|那谷寺を歩く。奇岩と苔、落椿が彩る静寂の参道

北陸

金沢滞在中に訪れた「加賀伝統工芸村 ゆのくにの森」。
その近くにあると気づいたのが、松尾芭蕉ゆかりの古刹「那谷寺(なたでら)」でした。
奇岩の景観で知られる境内を歩きながら、苔むした石段や落椿の美しさに心奪われたひとり旅の記録です。


金沢からローカル電車で那谷寺へ

2023年3月。金沢滞在中に「加賀伝統工芸村 ゆのくにの森」を訪れた際、近くに「那谷寺(なたでら)」があることに気づきました。松尾芭蕉の『奥の細道』にも登場する名刹であり、子どもの頃に遠足で訪れた懐かしい場所でもあります。

金沢駅からローカル電車で粟津駅まで向かい、そこからは1日に3本しかないローカルバスに乗り継ぎます。バス停から少し歩くと、那谷寺の立派な山門が姿を現しました。昔と変わらず静かな空気が流れ、訪れる人の少ない午前の境内には、ゆっくりとした時間が流れていました。


奇岩と苔、落椿がつくる春の情景

このお寺は紅葉の名所としても知られていますが、春先のこの時期も見どころがたくさん。特に、展望台から眺める国名勝指定の「奇岩遊仙境」は圧巻です。岩肌が複雑に重なり合う景観はまさに自然の芸術で、芭蕉が感嘆したのも頷けます。

けれど、私の目を引いたのはその奇岩よりも、境内に広がる苔の絨毯と、そこに落ちた椿の花の美しいコントラスト。赤と緑が織りなす静かな世界に、思わず足を止めて見入ってしまいました。


遠い記憶と、静かなひとり時間

子どもの頃の記憶はすっかり薄れていたのですが、「奇岩遊仙境」を目にした瞬間に、懐かしい情景がふっと蘇りました。広い境内をゆっくりと歩くこと約1時間。階段が多く、良い運動にもなりましたが、それ以上に心が清められるような時間でした。

自然と歴史が溶け合う那谷寺。春の訪れを感じながら、ひとり静かに歩く時間の尊さを改めて感じた旅でした。

🌸 前回の粟津駅からの旅はこちら
東京発ひとり旅|加賀伝統工芸村 ゆのくにの森へ。紙漉き体験と春の彩りを楽しむ一日

🍁紅葉時の訪問記事はこちら。
夫婦旅:紅葉が美しい那谷寺で秋の絶景散策

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