下諏訪駅に降り立ったこの日、目的は諏訪大社四社のうち、まずは「春宮」と「秋宮」へ。 99分のまちあるきマップを片手に歩き出した町は、穏やかな秋の空気に包まれ、どこか懐かしい時間が流れていました。
下諏訪駅に着くと、まずは観光案内所へ。そこでいただいた「しもすわ 99分のまちあるきマップ」が、この日の旅の頼もしい道しるべになりました。イラスト入りの地図には、見どころや食事処がやさしく描かれていて、歩く前から心が躍ります。
マップを片手に最初に訪れたのは「相楽塚(魁塚)」。そこから進むと、堂々とした「大灯籠」、さらにその先に春宮大門の大鳥居が見えてきます。高さ8.5m、明治25年建立の大鳥居の迫力に思わず立ち止まり、しばし見上げました。
大門通りを進んでいくと、右手には「力石」。昔、力自慢の若者たちがこの石を持ち上げて競い合ったそうです。そんな話に想いを馳せながら目線を少し先にすると、屋根付きの太鼓橋「下馬橋」が姿が見えます。これは諏訪大社下社で最も古い建造物で、落ち着いた木の色合いと反り返る曲線がなんとも美しく、優雅な静けさを漂わせています。
そして、その橋を過ぎるとようやく「諏訪大社下社 春宮」へ。神楽殿に掛けられた立派なしめ縄は出雲大社にも引けを取らないほどの存在感で、その太さと美しさに思わず息を呑み、静かに手を合わせました。
境内を歩いていると、ボランティアのガイドさんから声をかけられ、「万治の石仏を見に行きませんか」と誘われ、ご一緒に歩いていくと、途中に赤い橋が見えてきます。そこを渡ろうとすると、「行きはあの先の橋から行きましょう」との案内。遠回りの理由を尋ねると、道の途中に「岡本太郎書の石碑」があるとのこと。なるほど、芸術と信仰が交差する道を歩くことが、この地の魅力なのだと感じました。
万治の石仏は思ったよりも大きく、どこかユーモラスなお顔立ち。お参りの仕方が丁寧に書かれた看板を見ながら、教えられた通りに手を合わせました。帰りは赤い橋を渡って浮島社に立ち寄り、再び春宮へ戻ります。
地図を片手に再び下諏訪の町を歩き出し、今度は秋宮を目指して。静かな秋の陽の中、心地よい達成感とともに、穏やかな時間が流れていました。


























訪問日:2025年9月30日(火)
🌸 この旅のシリーズ
- ▷ 万治の石仏へ導かれて ─ 下諏訪の町歩きと春宮参拝のひととき
- ▷ 春宮から秋宮へ。歴史と風が交わる下諏訪の道
- ▷ オルゴールの音色に包まれて ─ 下諏訪「すわのね」で感じた優しい時間
- ▷ 偶然が導いた場所、北澤美術館へ ─ 上諏訪の午後散歩
👉 シリーズまとめページはこちら:風と音色に導かれて ─ 下諏訪から上諏訪への道


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