雨上がりの緑に映える国宝 高岡・瑞龍寺の美

北陸

江戸初期の禅宗寺院建築の傑作とされる「高岡山瑞龍寺」。加賀藩二代藩主・前田利長の菩提を弔うために建立されたこの寺は、国宝にも指定される荘厳な伽藍を今に伝えています。金沢滞在中、少し足をのばして訪れたその境内には、静寂と美が調和した世界が広がっていました。


父の介護で金沢に滞在していたある日、以前から気になっていた高岡市の瑞龍寺を訪れました。ここは、あいの風とやま鉄道・高岡駅南口から徒歩10分ほどで、想像していたよりもずっとアクセスのよい場所にありました。

曹洞宗の寺院・高岡山瑞龍寺は、加賀藩二代藩主・前田利長公の菩提を弔うため、三代藩主・前田利常によって建立されたもの。約20年の歳月をかけて完成したといわれ、当時の寺域は三万六千坪。周囲に壕をめぐらせた壮大な造りは、まるで城郭のようだったそうです。

平成9年には、山門・仏殿・法堂の三棟が国宝に指定され、さらに総門・禅堂・大庫裏・回廊・大茶堂なども国の重要文化財に指定されています。江戸初期の禅宗建築を今に伝える貴重な遺構であり、静かに歩くだけで歴史の重みが感じられました。

広い境内には七堂伽藍と呼ばれる七つの主要建物が整然と並び、どこを切り取っても計算された美しさがあります。雨上がりのこの日は、青々とした芝生がしっとりと輝き、石畳や瓦屋根がその緑を映していました。丁寧に手入れされた庭と堂宇のたたずまいから、加賀前田家の財力と信仰の深さが伝わってきます。

荘厳でありながら、どこか柔らかな静けさをたたえる瑞龍寺。金沢から足をのばして訪れる価値のある、北陸を代表する名刹だと感じました。

高岡駅を挟んで反対側にある、高岡大仏

訪問日:2022年9月28日(火)

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