橿原・明日香村を歩く──橿原神宮から岡寺、橘寺、石舞台古墳へ

奈良

古代日本の記憶が今も息づく奈良・橿原と明日香村。
橿原神宮の厳かな空気に包まれ、明日香村の花咲く寺を巡る──。
東京発ひとり旅でも訪れたい、静けさと美しさに満ちた古都の時間。


建国の地・橿原神宮で感じる「静」の美

2023年のゴールデンウィーク、夫婦で奈良を訪れました。
その中で最も印象に残ったのが、日本建国の地とされる橿原。
日本書紀にも登場する由緒ある地で、初代天皇・神武天皇を祀る橿原神宮に参拝しました。


境内は華やかさよりも、静けさと格式に包まれた空間。
木々に囲まれた参道を歩くだけで心が洗われるようで、まさに“静の美”を感じる場所でした。
本殿の前で深呼吸をすると、時がゆっくりと流れていくような感覚に。
畝傍山にも行きたかったのですが、この後の明日香村散策のために次回の楽しみに残しました。


明日香村で出会う、花咲く岡寺と橘寺

橿原から足を延ばして訪れた明日香村は、まるで時が止まったような穏やかな場所。
古代の風景が今も残るこの地で、いくつかのお寺を巡りました。


日本最初の厄除け霊場・岡寺

西国三十三所第七番札所、日本最初の厄除け霊場として知られる岡寺。
境内に入ると、満開の芍薬が咲き誇り、華やかな花手水(はなちょうず)が出迎えてくれました。
ダリアが浮かぶ花手水は色鮮やかで、思わず見惚れるほど。こんなに美しい花手水を見たのは初めてです。

本堂の前には、願いを込めて吊るす「龍玉願い珠」が揺れており、その丸いフォルムがどこか愛らしく、
花と緑に包まれたお寺の穏やかな雰囲気にぴったりでした。


聖徳太子ゆかりの橘寺

続いて訪れたのは、聖徳太子ゆかりの橘寺。
天井にはさまざまな花が描かれ、思わず見上げてしまう美しさ。
境内には「善」と「悪」の両面をもつといわれる二面石があり、人の心の奥にある二面性を映すようでした。


古代ロマンに触れる──石舞台古墳と亀石

明日香村を代表する観光地のひとつ、石舞台古墳へも。
巨大な石が積み重なった内部は見学可能で、崩れることなく千年以上残る技術に驚かされます。
近くには、まるで亀がのんびりと休んでいるように見える「亀石」もあり、どこか親しみを感じる不思議な存在でした。

さらに、天皇の御陵地にも立ち寄り、静かに手を合わせました。
ひとつひとつの史跡をゆっくりと歩いて巡る時間は、まるで過去と今が交差するような不思議な感覚に包まれます。


また訪れたくなる、明日香の原風景

今回の旅では行けなかった場所も多く、まだまだ心残りが。
それでも、古代の香りと自然のやさしさが感じられる明日香村は、懐かしさを感じる風景があちこちにありました。
東京発のひとり旅でも、心を整えたいときにふらりと訪れたくなる──そんな場所です。

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