東京発ひとり旅|檜原村・藤倉地区を歩く。山岳古民家と雨乞いの滝へ、里山の記憶をたどる一日

山・自然散策

東京都檜原村の藤倉地区には、今も昔ながらの山間の暮らしが息づいています。
2024年4月、以前モノレールで訪れた小林家住宅を再訪し、今回は山道を歩いて巡ることに。藤倉バス停から旧田倉家、そして雨乞いの滝まで——
NPO法人「さとやま学校」のイベントに参加し、地域の方々から聞く暮らしの知恵や文化の話に心を動かされながら、春の檜原を歩いたひとり旅の記録です。


藤倉の里山を歩く、ひとり旅の朝

2024年4月。東京都檜原村の藤倉地区を再び訪れました。
前回は小林家住宅までモノレールカーを利用しましたが、今回は山道を歩くことに。ルートは、藤倉バス停→藤倉校舎→不便楽舎→新田→小林家住宅→旧田倉家→雨乞いの滝→藤倉校舎→藤倉バス停という、1日かけての周回コースです。

天気にも恵まれ、春の澄んだ空気の中で山里を歩く道のりは心地よく、鳥の声と沢の音だけが聞こえてきます。

里山の暮らしを学ぶ「さとやま学校」のハイク

今回はNPO法人さとやま学校のイベントに参加。代表の川上さん、そして旧田倉家の当主から、この急峻な山間部での暮らしについてお話を伺いました。

急斜面を切り開いて畑を作り、毎日の生活用水を確保し、薪割りや炭焼きをして生きてきた人々。
その言葉ひとつひとつに、自然と共に生きる知恵と、山に寄り添って暮らす強さを感じました。

歩く足元には、野花や苔むした石垣。藤倉の山里は、まさに「東京の原風景」と呼ぶにふさわしい場所です。

旧田倉家から雨乞いの滝へ

旧田倉家を出発し、さらに山の奥へと進むと、雨乞いの滝への道に入ります。
ここはハイキングマップにも掲載されていない“秘境ルート”とのこと。道は細く、急な下りが続きますが、当主の田倉さん(80歳を超えるとのこと)の足取りは軽やかで、その姿に励まされながら歩を進めました。

滝は三段構成で、下段の流れは動画でも撮影しました。
さらに少し上ると中段と上段の滝が見え、岩肌をつたう水が陽の光を反射して輝く様子はまさに神秘的。

自然と人の記憶が残る場所

山里の暮らしを支えた人々の声を聞きながら歩いた今回の道のり。
東京とは思えないほどの自然と静寂に包まれ、たくさんの発見と感動がありました。

藤倉の山々を歩き、滝を見上げ、春の光を浴びながら心が洗われるような時間。
山を下りて藤倉バス停に戻る頃には、体は少し疲れていても、心は不思議と元気になっていました。

おわりに

古民家や滝、そして人との出会いを通して感じた、東京の奥に残る“本当の豊かさ”。
藤倉の里山は、ひとり旅にこそ訪れてほしい静かな癒しの場所でした。

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