2025年3月、JR東日本の「どこかにビューーン」を利用して、東京から新潟県・長岡へひとり旅に出かけました。今回の目的地は、発酵文化が根づく摂田屋(せったや)と、名物の栃尾油揚げで知られる栃尾(とちお)。観光地を急いで巡るよりも、町の空気を味わいながら歩く——そんな気分にぴったりの、電車と徒歩で楽しむゆるり旅です。

長岡駅から宮内駅へ|摂田屋散策のスタート

新幹線で長岡駅に着いたら、ローカル線に乗り換えて宮内駅へ。ここから摂田屋エリアは徒歩圏内で、酒蔵・味噌蔵・醤油蔵などが点在しています。

駅から歩き始めると、少しずつ景色が変わっていき、歴史のある建物や蔵が目に入ってきます。鼻をくすぐるような香りがふわっと漂う瞬間もあって、歩いているだけで「発酵のまち」に来たことを実感しました。

発酵のまち・摂田屋で味わう買い物散歩|酒蔵と蔵元めぐり

摂田屋の魅力は、ただ眺めるだけでなく、買い物しながら散策できること。蔵元が並ぶ通りをのんびり歩き、気になるお店に立ち寄りながら、少しずつ“自分のペース”で進めます。

途中で立ち寄ったのが「江口だんご」さん。歩き疲れた頃に甘いものがあると、旅の幸福度がぐっと上がります。上品な和菓子をいただきながら、外の空気を感じてほっとひと息。こういう時間が、ひとり旅のいちばん好きなところかもしれません。

油揚げのまち・栃尾へ|雁木通りと、思わぬ出会い

摂田屋の散策に加えて、今回は栃尾にも足を延ばしました。雁木(がんぎ)の残る通りは、派手さはないのに、どこか懐かしくて落ち着く風景。季節や天気で表情が変わりそうで、また別の時期にも歩いてみたくなります。

そして栃尾といえば、やっぱり栃尾油揚げ。厚みのある油揚げを買い込み、豆腐や生揚げもお土産に。さらに、ふらりと入ったお店で栃尾織物のハギレまで見つけてしまい、思わぬ嬉しい出会いになりました。

駅前にも花火文化の息吹|長岡らしさを感じる景色

長岡といえば、やはり長岡花火。駅前にはモニュメントがあり、旅人を迎えてくれます。通りすがりでも“花火のまち”らしさが伝わってきて、初めて訪れても印象に残りました。

また、道の駅「ながおか花火館」では大迫力の花火映像を体感できる施設があるそうです。今回はアクセスと時間の都合で立ち寄れませんでしたが、次回の楽しみに取っておきます。

醤油色の長岡赤飯に出会う|旅の締めくくり

旅の締めくくりはご当地グルメ、長岡赤飯。一般的な赤飯とは異なり、醤油を使って炊くため茶色がかった色合いです。

見た目の個性とは裏腹に、味は素朴でやさしく、しみじみ美味しい。旅の最後にこういう“土地の味”に出会えると、帰り道まで気分が穏やかになります。

発酵の香りに包まれる摂田屋、雁木のある栃尾、そして駅前に息づく花火文化。大きなイベントがなくても、歩くほどに長岡の魅力がじわじわ伝わってくる旅でした。

2025年6月に摂田屋を訪れた時の記事はこちら ↓

東京発ひとり旅|色の記憶をたどる摂田屋で見つけた“青”
東京発ひとり旅で信越本線をたどり、宮内駅から歩いて摂田屋へ。旧機那サフラン酒製造本舗の極彩色の鏝絵と、醸造のまちに残る静かな色の記憶を巡りながら、“青”と出会った一日を綴ります。