東京から東北新幹線と磐越西線、会津鉄道を乗り継ぎ、奥会津にある国の天然記念物「塔のへつり」を訪れました。山あいを走る列車の先に、長い時を刻んだ風景が広がっています。
100万年もの歳月が生み出した断崖と、静かに流れる川。その自然の造形の中を歩きながら、奥会津で出会った景色と時間を、小さな旅の記録として綴ります。
「へつり」と呼ばれる断崖へ向かう
「へつり」とは、会津の方言で川に迫った断崖のこと。塔のへつりは、100万年もの時をかけて川の流れや風雨が岩を削り、硬い部分だけが塔のように残った自然の造形です。
高さ約70メートル、幅約100メートルにわたって続く断崖の景観は圧巻で、1943年には国の天然記念物にも指定されています。
吊り橋から見下ろす奇岩とエメラルドグリーンの川
塔のへつりでは、この吊り橋を渡りながら断崖の景観を間近に見ることができます。
駅から塔のへつりまでは徒歩5分ほど。途中、「熊の目撃情報」の看板を見つけて少し緊張しましたが、カバンの中の鈴を鳴らしながら進みました。
やがて目の前に現れたのは、そんな不安を忘れるほどの迫力ある景色。長い年月をかけて削り出された断崖は、まるで自然が生み出した彫刻のようです。
断崖には吊り橋が架かり、エメラルドグリーンの川面と奇岩を見下ろすことができます。その景色に、思わず足を止めて見入ってしまいました。
岩の間を歩きながら感じる、はるかな時間
対岸の遊歩道を歩くと、岩のくぼみの間から木漏れ日が差し込み、静かな空気に包まれます。ここが大昔は海の底だったと知り、風の音とともに過ぎてきた長い時間に思いを巡らせました。
秋にはこの岩々が紅葉に彩られるそうです。次はその季節に訪れてみたいと思いました。
無人駅のホームで感じた、旅の静けさ
散策を終えて駅に戻ると、次の列車までは30分以上ありました。ホームのベンチには、先ほど一緒に下車した女性が静かに座っています。
言葉を交わすことはなくても、同じ場所で同じ景色を見た人がいる――それだけで、どこか安心する気がしました。
自然の壮大さと、人のささやかなぬくもり。その両方を感じた、奥会津の旅の始まりでした。
会津鉄道で訪れる塔のへつりは、奥会津の自然と静けさを感じられる、電車旅ならではの風景でした。





















訪問日:2025年10月3日(金)
往路:東京🗼(東北新幹線)→ 郡山(磐越西線)→ 会津若松(会津鉄道)→ 塔のへつり
※この後は、大内宿に行くため、湯野上温泉に向かいます。
奥会津ひとり旅の記事一覧(全4回)
→〈Vol.1〉塔のへつり ― 100万年の時が刻んだ奇岩の風景(この記事)

〈Vol.2〉大内宿 ― 茅葺き屋根が残る宿場町

〈Vol.3〉鶴ヶ城 ― 光に包まれた会津若松の夜

〈Vol.4〉只見線 ― 風と絶景に出会う奥会津のローカル列車

奥会津で出会った風景のまとめ記事はこちら


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