2026年3月。JR東日本の「どこかにビューーン」で今回の行き先に決まったのは山形。
これまでにも2回、同じく「どこかにビューーン」で山形を訪れていますが、どちらも目的地は山寺でした。
その時の旅の様子は
秋の山寺を歩いたひとり旅の記事
で紹介しています。
今回は、以前時間の制約で駆け足になってしまった文翔館をガイド付きでゆっくり見学すること、そして霞城公園を訪れることが旅の目的です。
事前に霞城公園について調べているうちに、公園内にある山形市郷土館(旧済生館本館)の存在を知りました。
明治初期に建てられた独特の洋風建築で、現在は郷土資料館として公開されています。
今回の山形の旅は、この建物を訪ねるところから始まりました。
霞城公園にある山形市郷土館(旧済生館本館)へ
山形駅に到着してまず向かったのは、霞城公園の中にある山形市郷土館です。
公園の南口から入り、体育館の横を通り過ぎると、レトロな洋風でありながらも、どことなく個性的な建物が見えてきました。
この「済生館」という名前には、「人の命を救う館」という意味があるそうです。
もともとは明治初期に山形市の繁華街・七日町に県立病院として建てられ、現在は霞城公園内に移築されて郷土資料館として公開されています。
擬洋風建築の代表作ともいわれる建物
この建物は、松本市の旧開智学校校舎と並び、特異な構造を持つ擬洋風建築の双璧ともいわれています。
松本で旧開智学校校舎を訪れたときの様子は
旧開智学校校舎を訪れたときの記事
で紹介しています。
擬洋風建築とは、明治初期、日本の大工たちが西洋建築を見よう見まねで取り入れながら建てた洋風建築で、当時の面影を今に伝える建物です。
木造4階建ての建物ですが、外から見ると3階建てのように見える独特の構造になっています。
見学料は無料で、内部も見学することができます。
1階の正面玄関は変形の八角形で、屋根は瓦葺き。
ただし館内への入口は正面ではなく、裏手に回った場所にあります。
ユニークな構造の館内を見学
中庭を取り囲むように14角形の回廊が環状に設けられており、それに沿って8つの部屋が配置されています。
これらの部屋は、かつて診察室として使われていたそうです。
展示室には、江戸時代からの医学書や院内で実際に使われていた医療機器などが展示されています。
2階へ上がると、さらに3階へ続く螺旋階段があることがわかりますが、こちらは現在見学することができません。
2階の講堂は正十六角形の平面を持つ特徴的な空間で、現在は資料室として使われています。
明治の大火を乗り越えて残った建物
見よう見まねで西洋建築を取り入れながら、このような独創的な建物を造り上げた当時の大工たちの技術には驚かされます。
洋を真似ただけでなく、和の要素もうまく取り入れられているそのセンスの良さ。
日本人の感性って素晴らしいなと、誇らしい気持ちにさえなりました。
明治の大火も乗り越え、こうして霞城公園に移築され、現代の私たちが見学できることに感謝の気持ちが湧いてきます。
時代を超えても、この建物のデザインが今なお魅力的であることを強く感じました。
そして、山形には他にも旧西田川郡役所や旧鶴岡警察署庁舎(いずれも鶴岡市に現存する国の重要文化財)などの擬洋風の名建築があることも知り、いつか訪れてみたいと思いました。
館内には見学客が絶えず訪れていましたが、混雑しているというほどではありません。
タイムスリップしたかのように、当時に思いを寄せながらゆったりと時間を過ごすことができました。
「やまがた建物時代絵巻」のスタンプラリー
館を出ようとしたとき、2人連れの旅行者がスタンプを押しているのが目に入りました。
近づいてみると、「やまがた建物時代絵巻」という折りたたみ式の台紙があり、山形市内の歴史的建物を巡りながらスタンプを集める企画のようです。
すべてのスタンプを集めると、旅の思い出になるだけでなく記念品もいただけるとのこと。
裏面にはとても分かりやすいマップもあり、山形の街歩きにぴったりでした。
ここでは
- 絵巻スタンプ4:山形市郷土館(旧済生館本館)
- 絵巻スタンプ2:霞城公園(山形城跡 本丸・二ノ丸)
この2つのスタンプを押しました。
ちょうど白梅と紅梅が咲き始めていて眺めていると、公園の管理をされている方が声をかけてくださいました。
「ここ、霞城公園は桜が綺麗なんだよ。今年は4月の第2週くらいが見頃かな」と教えていただき、桜の咲く頃にまた散歩してみたいなと思いました。
そんなことを考えながら、入手したスタンプラリーのマップを確認します。
寄り道で訪れた聖ペテロ教会
マップを見ていると、スタンプ対象ではありませんが聖ペテロ教会というレトロな建物の写真が載っていました。
とても可愛らしい教会だったので、霞城公園の本丸一文字門を軽く見てから、二ノ丸東大手門を出て立ち寄ってみることにしました。
急勾配の屋根が特徴の小さな教会で、ミント色の屋根と窓枠が印象的な可愛らしい建物です。
スタンプラリーとは関係ありませんが、山形の街歩きの途中に少し寄り道してみるのもおすすめです。
絵巻スタンプ7:やまがたクリエイティブシティセンターQ1へ
続いて訪れたのは、やまがたクリエイティブシティセンターQ1。
ここは山形市立第一小学校の旧校舎をリノベーションした施設です。
館内にはカフェや旅行会社、雑貨店などが入っており、レトロな校舎の雰囲気を残したまま新しい文化施設として活用されています。
ここは絵巻スタンプ7の場所で、スタンプは管理事務所前に置かれていました。
絵巻スタンプ1:七日町御殿堰を歩く
次に向かったのは、七日町御殿堰(山形五堰)です。
約400年前に生活用水や農業用水を確保するために作られた水路で、現在は歴史的な水路を活かした商業施設と親水空間が整備されています。
スタンプ1がどこに設置されているのかわからず3周くらい歩きましたが、御殿堰の奥、大黒さまの近くに置かれていました。
このあと文翔館(絵巻スタンプ6)へ
このあと訪れたのは、山形を代表する歴史的建築のひとつ「文翔館」。
大正時代に建てられた重厚な洋風建築で、内部も当時の姿が忠実に再現されています。
実際にガイドツアーに参加し、普段は気づかない細かな意匠や職人技についても詳しく知ることができました。
豪華な階段やステンドグラス、歴史を刻み続ける時計台など、見どころの多さに思わず時間を忘れてしまうほどです。
▶ 文翔館の内部見学と紅の蔵を巡る山形レトロ建築散歩(後編)はこちら
霞城公園(山形城跡)のアクセス情報
所在地:山形県山形市霞城町1-7
JR山形駅 西口から徒歩約10分
園内には山形市郷土館(旧済生館本館)があります。
山形駅から徒歩で散策できる範囲に、聖ペテロ教会や七日町御殿堰などの歴史スポットがあります。
























このあとも、山形のレトロ建築をめぐります
霞城公園や山形市郷土館を歩いたあと、やまがた建物時代絵巻を手に、さらにまち歩きを続けました。
このあと訪れた文翔館や紅の蔵での様子は、次の記事でご紹介しています。

似た雰囲気の建物が好きな方へ
明治の擬洋風建築がお好きな方には、松本で訪れた旧開智学校校舎もおすすめです。
どこか懐かしくて、じっくり眺めたくなる建物でした。



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