金沢発わじま号で巡る能登の旅|海と棚田、そして今も心に残る風景

北陸

2023年6月。金沢駅から定期観光バス「わじま号」に乗って、能登の名所をめぐりました。
輪島の朝市や白米千枚田、キリコ会館、外浦の海岸線などを一日で巡るコースで、穏やかな海と棚田の風景に心を奪われた旅でした。

現在このコースは、震災の影響もあり運行されていません(2026年4月時点)。
あの日に出会った風景の多くは、いまは失われたものも含まれています。
写真を見返しながら、そのときの記憶を静かにたどります。


金沢駅から能登へ──定期観光バス「わじま号」で出発

金沢駅を出て、最初に訪れたのは輪島の朝市。
公共交通機関でも訪れることはできますが、複数のスポットを一日で巡るのは難しく、このコースでは効率よく能登をめぐることができました。
地元の人々と観光客でにぎわう通りには、新鮮な魚介や干物、手作りの工芸品などが並び、輪島の暮らしが息づいていました。

橋のそばにはNHKの朝ドラ『まれ』のモニュメントがあり、作品の舞台を感じながら散策。
近くの重蔵神社にも立ち寄り、静かに参拝しました。

朝市を歩いていると、露店のおばあちゃんから「あて(アスナロ)の葉」をいただきました。
財布に入れておくと、「あてにしない」ことからお金が入ってくるという言い伝えがあるそうです。
ただし欲張ってたくさん入れると逆効果で、お金が出ていってしまうから、少しだけちぎって入れるのがいいのだとか。
そんな何気ないやりとりも含めて、輪島の朝市には人の温もりがありました。

※アテ(アスナロ)は石川県の県木です

この朝市では、輪島のものだけでなく、沖合にある舳倉島の海産物も並んでいました。
海藻や塩など、離島の恵みを手に取ることができるのも印象的で、能登の暮らしの広がりを感じるひとときでした。


白米千枚田の絶景

次に訪れたのは「白米千枚田(しろよねせんまいだ)」。
晴天のもと、稲の緑と日本海の青、空の淡い水色が重なり合い、思わず息をのむような美しい景色が広がっていました。

幾重にも連なる棚田がきらめき、自然と人の営みが調和するような静かな時間でした。


輪島キリコ会館と昼食

白米千枚田のあとは輪島キリコ会館へ。
想像以上に大きく、高さのあるキリコの迫力に圧倒されました。

昼食は温泉宿泊施設「ビュー・サンセット」で。
近くにはワイナリーの建物も見え、海風と光に包まれる中で、地元食材を使った料理を味わうひとときとなりました。


外浦をめぐる帰路──世界一長いベンチと海の風景

帰り道では、「岸壁の母」という戦争歌の舞台となったエピソードを紹介してもらいながら、志賀町にある「世界一長いベンチ」で休憩。
見渡す限り続く木製のベンチと、穏やかな海の水平線が印象的でした。


千里浜なぎさドライブウェイで感じた時間の流れ

そのあと訪れた千里浜なぎさドライブウェイでは、幸運にも砂浜を走ることができました。
子どもの頃に訪れた記憶と重ねると、砂浜の広さが少しずつ変わってきていることにも気づきます。

砂浜には砂で作られた砂像も展示されていました。
初めて見るその造形は、氷の彫刻とはまた違った趣があり、想像以上に精巧で、雨や風にも耐えていることに驚かされました。


あの日の風景を思い出して

2025年の今、写真を見返すと、この旅の光景の多くが失われてしまいました。
震災の影響で、ビュー・サンセットは営業を終了し、輪島の朝市は焼失。
白米千枚田も一部が崩れ、修復が進められています。

いつまでも変わらないと思っていた風景が、ある日突然失われてしまうこと。
その現実の重さとともに、あの日見た海や棚田の美しさが、より深く心に残っています。

能登が再び、光と人の営みに満ちた場所として歩み出す日を願いながら、この旅の記録を残しておきたいと思います。


📖 能登で出会った風景と旅の記録

能登では、季節や訪れる方法によって、同じ場所でもまったく違う表情に出会いました。
冬の厳しい日本海や、別のツアーで巡った奥能登の風景など、あわせてご覧いただけます。

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👉 冬の北陸ひとり旅まとめ

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