長良川鉄道の終着駅・北濃駅から、観光列車「ながら」に乗って郡上八幡へ。
岐阜の山あいを走るローカル線に揺られながら、長良川沿いの風景とともに、静かな時間を味わいました。
かつて福井県側とつながるはずだった“幻の鉄路”の記憶にも触れながら、列車旅そのものを楽しんだ一日の記録です。
※この旅は福井県・九頭竜湖からスタートしています。前半の記録はこちらからご覧いただけます。
越美北線の終点・九頭竜湖駅の記録
長良川鉄道“ながら”で郡上八幡へ──幻の鉄路をたどる
九頭竜湖駅からバスで県境を越え、長良川鉄道の終着駅である北濃駅へ向かいました。
ここは、かつて福井県側の越美北線とつながるはずだった場所。鉄路が途切れた先に立つと、ただの移動ではなく、つながらなかった時間の続きをたどっているような気持ちになります。
この旅に参加したきっかけは、かつてつながるはずだった“夢の鉄路”を実際にたどってみたいという思いからでした。 未成に終わった区間を実際に歩き、その記録を発信している方も多く見かけます。私も一度は辿ってみたいと思いながらも、その一歩を踏み出す勇気はなく、今回のツアーでその区間を体感できると知り、参加することにしました。
北濃駅に立って思ったこと
北濃駅に着いてまず印象に残ったのは、線路の先に広がる静かな風景でした。
途切れたレールの先には花が咲き、その奥は木々が生い茂っていて、もうその先を見通すことはできません。けれど、この先に福井県の九頭竜湖駅へ続くはずだった線路があったのだと思うと、胸にじんとくるものがありました。
実際には列車はここで終わっていますが、地図の上ではたしかにつながろうとしていた路線。
その“未完の先”を思い浮かべながら立つ時間は、この旅の中でもとくに印象深いものでした。
観光列車「ながら」とは?特徴と魅力
北濃駅から乗車したのは、長良川鉄道の観光列車「ながら」。
岐阜県の自然や文化を感じられるよう設計された列車で、ゆったりとした時間の中で車窓の風景を楽しめるのが魅力です。
車内には、岐阜県産の木材をはじめ、郡上八幡の「郡上本染」、関市の「関刃物」、美濃市の「本美濃紙」など、沿線地域にゆかりのある素材や工芸が取り入れられています。
ロイヤルレッドの車両がのどかな風景の中を走る姿は、まるで一枚の絵のように印象的でした。
※観光列車「ながら」は事前予約制のプランもあり、運行日や内容は時期によって異なります。利用前に公式サイトでの確認がおすすめです。
車窓に広がる長良川の風景
列車に揺られながら眺めたのは、川に寄り添うように続く線路と、のどかな山里の風景。
列車は何度も橋を渡りながら進み、長良川が右に現れたり、左に現れたりと、その見え方が次々と変わっていきます。
流れは穏やかで、水面には空が映り込み、場所によっては浅瀬に白波が立つ風景も見られました。
どこか懐かしさを感じる、風光明媚な景色が続いていきます。
車両はコンパクトで、各駅間も短く、どこか路線バスのような感覚もありました。
車内は乗客が多く、写真を撮るとどうしても人が写り込んでしまうため撮影は控えましたが、その分、落ち着いた空気の中で景色をじっくり味わうことができました。
車窓に流れていく深い緑や川の流れを見ていると、「幻の鉄路」の余韻が少しずつ今ある旅の風景へと溶け込んでいくようでした。
過去の計画に思いを馳せながらも、目の前にはたしかに列車の旅が続いている。そのことが、静かな余韻として心に残ります。
郡上八幡の風景と旅の終わり
列車はやがて郡上八幡駅へ到着。
車窓から山の上に見えた郡上八幡城が印象的で、「いつかこの町をじっくり歩いてみたい」と思いながら列車を降りました。
この旅は、観光列車「ながら」に乗ること自体が目的のひとつでもありましたが、同時に、かつてつながるはずだった鉄路の名残をたどる旅でもありました。
果たせなかった鉄道の計画があり、その一方で、いまは道路によって地域が結ばれていく。そんな時代の流れに触れたことも、この旅をより印象深いものにしてくれました。
失われた鉄路が描こうとした物語と、いま目の前にある風景。その両方に触れられた時間は、忘れられないひとり旅の記録となりました。
















📖 幻の鉄道路線をたどる旅のはじまり
この旅は、越美北線の終点・九頭竜湖駅を訪れるところから始まりました。
かつてつながるはずだった鉄路の起点に立ち、その歴史と風景に触れた記録です。


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