🩵青を探して、色の記憶をたどる摂田屋へ

信越

極彩色の鏝絵が語る、色と静けさの物語

風の音を松籟閣で堪能したあと、再び信越本線に乗って宮内駅へ。
駅から歩いて10分ほどの場所に、醸造のまち・摂田屋があります。
味噌や醤油、酒造などの建物が並び、どこか懐かしい香りが漂う場所です。

その中でもひときわ目を引くのが、旧機那サフラン酒製造本舗
明治から昭和初期にかけて建てられた邸宅や土蔵など、
10棟が国登録有形文化財に指定されています。
中でも、色漆喰を使った「鏝絵(こてえ)」で飾られた蔵は特に有名で、
動物や植物が極彩色で描かれ、立体的に浮かび上がるその姿は
“日本一の鏝絵”とも称されています。

以前、外から眺めたときに強く印象に残ったこの建物。
内部公開が休日のみと知り、今回はぜひ中を見たいと思って再訪しました。
けれど、来迎寺駅で途中下車をしたため、到着が見学終了間際に。
宮内駅から走って、なんとか滑り込みセーフでした。

維持協力金を納め、念願の内部へ。
中にも繊細で華やかな鏝絵があり、
重厚な板張りの床や螺鈿細工の壁など、
サフラン酒の創業者・吉澤仁太郎氏のこだわりが随所に感じられます。
池には山古志の錦鯉が泳ぎ、時間がゆっくりと流れていました。

見学を終える頃、夕暮れの光が蔵の白壁をやさしく染めていました。
色の中に、青の静けさを見つけたようなひととき。
次はボランティアガイドさんの案内で、もう少し深くこのまちを歩いてみたいと思います。

訪問日:2025年6月7日(土)
復路:来迎寺(信越本線)→宮内(信越本線)→長岡(上越新幹線)→ 東京🗼

← 前回の記事:「🩵青を探して、来迎寺で聴く風の音」

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