2025年6月の東京発ひとり旅。前半の思いがけない寄り道を終えたあとは、本来の目的だった清水園や蔵春閣へ向かい、新発田駅周辺をゆっくり歩いてめぐりました。酷暑の一日でしたが、歴史ある庭園や迎賓館、寺社を訪れるひとときは心を落ち着けてくれる時間。駅近で巡れる“静かな後半旅”になりました。
新発田で過ごす、予定外から始まった文化散策の一日
新発田駅に戻ってきた頃には午後。気温はぐんぐん上がり、歩くだけで汗ばむほどの酷暑の中でしたが、駅から徒歩圏内で巡れるスポットが多い新発田市は、想像以上に散策しやすいまちでした。
もともと予定していたのは、清水園と蔵春閣を中心に市内を歩いて巡ること。お城へはバスで向かう必要がありますが、訪れる余裕がなかったため今回は見送りにしました。駅前の案内板を見て、ここが「菖蒲城」とも呼ばれ、まさに“菖蒲”に縁の深い土地であることを知り、次回はぜひ訪れたい場所として心にメモしました。
蔵春閣 ― 大倉喜八郎の迎賓館を新発田で味わう
まず訪れたのは、贅を尽くした迎賓館として名高い「蔵春閣」。新発田市出身の大実業家・大倉喜八郎が、政財界の重鎮や海外の賓客をもてなすために建てた建物で、東京・隅田川沿いにあった別邸をこの地に移築したものです。
館内には、視線を奪うほど精巧な美術工芸品や意匠が散りばめられ、ひとつひとつをガイドさんが丁寧に説明してくださいました。木材の選び方、彫刻の細工、建具の組み方に至るまで、当時の職人たちの技を肌で感じられる空間で、思わず息をのむ場面が何度もありました。
清水園 ― “心が静まる”書院造と回遊式庭園
次に向かったのは、新発田藩下屋敷として整えられた国指定名勝「清水園」。北方文化博物館とも深い関わりのある場所で、池を中心とした回遊式庭園には五つの茶室が点在しています。
飾り気のない書院造の建物から眺める庭の景色は、まさに“静けさそのもの”。水面の揺らぎや苔の色、木々の影がゆっくりと重なり、暑さで火照った気持ちが落ち着いていくようでした。紅葉の時期には、きっと鮮やかな世界が広がるのだろうと想像しながら歩きました。
清水園の向かいには、細い道を挟んで足軽長屋があり、当時の暮らしの名残を感じられる佇まいが残っています。
宝光寺 ― 山門の迫力に足を止めて
散策の途中、ふと視界に入った見事な山門に惹かれて立ち寄った宝光寺。山門も本堂も堂々とした構えで、思いがけず立派な建築との出会いに心が弾みました。こうした“偶然の発見”も、ひとり旅ならではの楽しみです。
諏訪神社 ― 再建を経てなお美しい大きな神社
最後に訪れたのは諏訪神社。2001年に社殿を焼失し、2004年に再建されたとのことで、新しいながらも風格があり、とても立派な神社でした。境内には穏やかな空気が流れ、歩いているだけで心が洗われていくようでした。
歩いて巡る新発田、文化の魅力にあふれた一日
初めて訪れた新発田は、歩いて巡るだけで次々と魅力が現れるまちでした。蔵春閣の豪奢な美、清水園の静けさ、寺社や町並みに残る歴史。予定外のことがあっても、それがまた旅を豊かにしてくれる。そんなことを実感できた一日でした。
















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