鶴仙渓の遊歩道を全区間歩く|こおろぎ橋から黒谷橋までの見どころとアクセス

山中温泉・鶴仙渓の総ヒノキ造りのこおろぎ橋 北陸

山中温泉の鶴仙渓は、渓流沿いの遊歩道を歩きながら、橋や歴史にまつわる見どころを巡れる場所です。

この記事では、実際に歩いてわかった6月の遊歩道の様子や、散策にかかった時間、公共交通機関でのアクセス、訪問前に確認しておきたいことなどを紹介します。


金沢から山中温泉・鶴仙渓へ

2023年6月、金沢滞在中に石川県加賀市の山中温泉にある「鶴仙渓(かくせんけい)」を訪れました。

鶴仙渓は、大聖寺川沿いに続く約1.3kmの渓谷です。こおろぎ橋から黒谷橋まで遊歩道が整備され、途中にはあやとりはしや芭蕉堂などの見どころがあります。

この日は金沢駅からJR特急で加賀温泉駅へ向かい、路線バスに乗り換えて「こおろぎ橋」バス停で下車しました。

こおろぎ橋から黒谷橋まで遊歩道を歩き、その後は山中温泉街も散策しました。

ドラマで名前を知ったこおろぎ橋|現在は4代目の総ヒノキ造り

鶴仙渓を訪れるきっかけになったのは、子どもの頃に見たテレビドラマ『こおろぎ橋』でした。

親が見ていたドラマで、毎回見ていたわけではありませんが、なぜか「こおろぎ橋」という名前がずっと記憶に残っていました。

後年、こおろぎ橋について調べてみると、周辺には鶴仙渓という渓谷があり、遊歩道を歩いて散策できることを知りました。それなら橋を見るだけでなく、渓谷も歩いてみたいと思ったのです。

ところが、実際に訪れてみると、記憶にある橋とは印象が違いました。

現在のこおろぎ橋は、2019年に架け替えられた4代目の橋です。総ヒノキ造りで、周囲の緑に囲まれた場所に架かっています。

橋を見学したあと、ここから鶴仙渓の遊歩道へ入りました。

鶴仙渓の遊歩道を歩く|6月は木々が茂り渓流が見えにくい場所も

こおろぎ橋から黒谷橋までの遊歩道は、川沿いに道が続き、途中では岩の間を流れる大聖寺川の様子を見ることができます。

訪れた6月は木々の緑が濃く、頭上まで枝葉に覆われている場所もありました。日差しがあまり届かず、渓流沿いを歩いていても開けた景色は少なめです。

遊歩道は整備されており、歩きやすい靴で散策できる状態でした。

ただ、枝葉がかなり茂っていて、場所によっては渓流がほとんど見えません。

途中には川を眺められそうな場所もありましたが、木々に視界を遮られ、期待していたほどの眺望は得られませんでした。

緑に囲まれて歩くのは気持ちがよかったものの、この日は遊歩道を歩く人がほとんどおらず、ふと周囲を見渡して心細くなることもありました。

赤いS字型の橋「あやとりはし」

遊歩道を進むと、赤い独特な形をした「あやとりはし」が現れます。

曲線を描く橋の形が特徴で、こおろぎ橋とはまったく異なる印象を受けました。橋の上を歩くと、曲がりながら続く通路や欄干の構造がよくわかります。

それまでの遊歩道ではほとんど人に出会いませんでしたが、あやとりはしではご夫婦を2組見かけました。

山中温泉を代表する観光スポットだけあって、遊歩道の途中とは少し雰囲気が違っていました。

楽しみにしていた鶴仙渓の川床は休業日

あやとりはしの近くには、渓流を眺めながら休憩できる「鶴仙渓 川床」があります。

赤い番傘の下で休憩することを楽しみにしていましたが、訪れた日はあいにく休業日でした。

番傘は開かれておらず、木製のテーブルなども片付けられていたため、写真で見ていた川床の風景を見ることもできませんでした。

楽しみにしていただけに残念でしたが、休憩はせず、そのまま遊歩道の散策を続けました。

川床には営業期間や休業日があるため、利用を予定している場合は事前に最新の営業情報を確認しておくことをおすすめします。

木々の中に建つ芭蕉堂から黒谷橋へ

遊歩道をさらに進むと、黒谷橋の近くに「芭蕉堂」があります。

芭蕉堂は、山中温泉を訪れた俳人・松尾芭蕉を祀るお堂です。

瓦屋根を持つ小さな建物ですが、木々に囲まれた遊歩道の中では意外に目を引きました。

山中温泉は、松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅で滞在した場所としても知られています。

芭蕉堂の近くには、東山神社へ続く参道の鳥居もありました。

東山神社は、山中漆器にゆかりのある木地師の祖神・惟喬親王を祀る神社です。

鳥居の先には木々に囲まれた参道が続いていました。

このあと、遊歩道の終点となる黒谷橋へ向かいました。

これで、こおろぎ橋から黒谷橋までの約1.3kmを歩き終えました。写真を撮りながらの散策で、所要時間は約1時間でした。

散策後に知った熊の注意看板

黒谷橋まで歩いたところで、関西からひとりで車を運転して来たという女性に声をかけられました。

女性は鶴仙渓を歩きたかったものの、熊への注意を呼びかける看板を見て、遊歩道に入るのをためらっていたそうです。

そこへ私が遊歩道から出てきたため、「熊、大丈夫でした?」と尋ねられました。

私はこおろぎ橋から遊歩道に入りましたが、そのとき熊の注意看板を見た記憶はなく、熊のことを考えずに歩いていました。

歩いている途中で心細くなったのも、熊を心配したからではなく、周囲にほとんど人がいなかったためです。

女性の話を聞いて、初めて熊への注意が必要な場所だと知りました。

鶴仙渓は温泉街に近い場所ですが、自然の中を歩く遊歩道です。訪問前には熊の出没情報や遊歩道の状況を確認しておくことをおすすめします。

黒谷橋から山中温泉街へ

鶴仙渓を歩いたあとは、山中温泉街も散策しました。

山中温泉には、共同浴場の総湯「菊の湯」をはじめ、温泉街ならではの建物や町並みがあります。

帰りは総湯「菊の湯」近くの「菊の湯前」バス停から、加賀温泉駅行きの路線バスに乗りました。

こおろぎ橋まで引き返さずに帰ることができたので、遊歩道を全区間歩く場合には便利な経路でした。

鶴仙渓へのアクセスと散策情報

加賀温泉駅から路線バスで

鶴仙渓へは、加賀温泉駅から北鉄加賀バスの温泉山中線を利用できます。

加賀温泉駅から「こおろぎ橋」バス停までは約35分です。

2023年6月の訪問時は金沢駅からJR特急を利用しましたが、2024年3月16日に北陸新幹線の金沢〜敦賀間が開業し、現在は金沢駅から加賀温泉駅まで新幹線で約20分です。

帰りに利用した「菊の湯前」バス停から加賀温泉駅までは、約34分でした。

「菊の湯前」と「こおろぎ橋」は2停留所離れています。バスの本数は限られているため、訪問前に最新の時刻表を確認しておくと安心です。

遊歩道の距離と所要時間

鶴仙渓の遊歩道は、こおろぎ橋から黒谷橋まで約1.3kmです。

今回の散策では、写真撮影や途中の見学を含めて約1時間かかりました。

遊歩道は整備されていますが、川沿いには足元が濡れて滑りやすくなる場所もあるため、歩きやすい靴がおすすめです。

季節や天候によって道の状況が変わることもあるため、訪問前には通行情報を確認してください。

鶴仙渓の紅葉の見頃

鶴仙渓は紅葉の名所としても知られ、例年11月中旬から下旬頃に見頃を迎えます。

今回訪れたのは6月で、木々の葉が茂る時期でした。紅葉の時期には異なる景色が楽しめますが、この記事で紹介している遊歩道や渓流の様子は、2023年6月のものです。

新緑に覆われた鶴仙渓を流れる大聖寺川
木々が茂る鶴仙渓の遊歩道沿いの渓流
鶴仙渓の木々の間から見える赤いあやとりはし
あやとりはしの曲線を描く橋上の通路
鶴仙渓の遊歩道沿いに建つ瓦屋根の芭蕉堂
鶴仙渓の芭蕉堂近くにある東山神社の石鳥居と参道
鶴仙渓の黒谷橋と橋名を刻んだ石柱

🌿 石川県で訪れた寺院と温泉街

加賀市の那谷寺では、奇岩が並ぶ境内や苔のある参道を散策しました。 金沢市の湯涌温泉では、山あいの温泉街を歩いています。 鶴仙渓とあわせて、石川県内で訪れた場所を紹介します。

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