朝目を覚ますと、窓の外は一面の銀世界。
金沢らしい気まぐれな冬空のもと、雪に包まれた街並みを歩きながら、父に届ける姫みかんを手に兼六園へ。吹雪いたかと思えば陽が射し、また雪が舞う──そんな北陸の冬の表情と、小さなぬくもりの記録です。
朝、目を覚ますと外は真っ白。窓の外では風に乗って雪が舞い、まるで紙吹雪のように降りしきっていました。
しばらくして太陽が顔を出したのを見て、「せっかくだから出かけてみよう」と思い立ちます。久しぶりに見る金沢の雪景色。父へのお土産の姫みかんを届けがてら、兼六園を少し歩こうと出かけました。
石川門の前に立つと、白い雪をまとった門が凛として美しく、思わず息を呑みました。太陽の光を受けて、雪がキラキラと光り輝きます。けれど、北陸の冬の天気は本当に気まぐれです。しばらくすると、空が急に暗くなり、また雪が吹きつけてきました。
あっという間に前が見えないほどの吹雪。出口を見失い、思わず立ち止まるほどでした。そんな中でも園内を整備していたスタッフの方が声をかけてくれ、道を教えてくれたおかげで、なんとか外に出ることができました。外に出ると、また太陽が。さっきまでの吹雪が嘘のようです。
懲りずに尾山神社へ立ち寄ると、雪を被った門や境内が静かに佇んでいました。金沢の冬は厳しいけれど、その美しさはどこか懐かしく、温かい記憶を呼び起こします。
面会のとき、父は姫みかんを嬉しそうに受け取り、旅先で撮った写真を見ながら目を細めていました。その姿を見るのが、私の何よりの楽しみです。
雪の冷たさと、人のぬくもり。その対比が、あの日の金沢をより一層美しく感じさせてくれました。












訪問日:20223年12月22日(金)
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