雪が舞う金沢で ─ 父に姫みかんを届けた冬の日|兼六園と尾山神社

アートと文化

朝、目を覚ますと、窓の外は一面の銀世界。
金沢らしい気まぐれな冬空のもと、雪に包まれた街並みを歩きながら、父に届ける姫みかんを手に兼六園へ向かいました。
吹雪いたかと思えば陽が射し、また雪が舞う──そんな北陸の冬の表情と、小さなぬくもりを感じた一日の記録です。


雪景色の金沢を歩こうと思い立った朝

朝、目を覚ますと外は真っ白。
窓の外では風に乗って雪が舞い、まるで紙吹雪のように降りしきっていました。

しばらくして太陽が顔を出したのを見て、「せっかくだから出かけてみよう」と思い立ちました。
久しぶりに見る金沢の雪景色。父へのお土産の姫みかんを届けがてら、兼六園を少し歩いてみることにしました。 姫みかんは、中能登町の道の駅「織姫の里」で購入したものです。
そのときの様子は、中能登町を訪れたときの記録として、別の記事で紹介しています。

兼六園は、岡山の後楽園、水戸の偕楽園と並ぶ「日本三名園」のひとつ。
江戸時代に造られた林泉廻遊式庭園として知られています。

冬の見どころのひとつが、唐崎松の雪吊り。
雪の中に浮かび上がるその姿は、金沢の冬を象徴する風景のひとつです。

雪を踏むたびに足元からきゅっきゅっと音がして、冬の金沢を歩いている実感がじんわりと広がりました。

雪をまとった石川門と、北陸の気まぐれな空

石川門の前に立つと、白い雪をまとった門が凛として美しく、思わず息を呑みました。
石川門は、金沢城公園にある兼六園側の門で、国の重要文化財にも指定されています。
陽の光を受けて、雪がきらきらと輝く光景は、冬の金沢ならではの美しさです。 雪の中、日本人観光客は少なく、外国人観光客などが雪景色にはしゃいでいる光景をあちらこちらで目にしました。

けれど、北陸の冬の空は本当に気まぐれでした。
金沢では、「弁当忘れても傘忘れるな」という合言葉みたいな言葉がありますがまさにそれを表すような天気です。
しばらくすると空が急に暗くなり、また雪が吹きつけてきます。

あっという間に前が見えないほどの吹雪になり、兼六園の出口を見失って思わず立ち止まるほどでした。
そんな中、園内を整備していたスタッフの方が声をかけてくださり、道を教えてくれたおかげで、なんとか外に出ることができました。

外へ出ると、また太陽が差していました。
さっきまでの吹雪が嘘のようで、金沢の冬の移ろいやすさに驚かされます。

雪の尾山神社に感じた静けさ

懲りずにそのまま尾山神社にも立ち寄りました。
兼六園から金沢城公園・玉泉院丸庭園を通って、尾山神社までは徒歩10分ほど。
金沢城公園はあたり一面が真っ白で、まさに白銀の世界でした。

これまで見てきた景色とはまったく違い、「ここはどこだろう」と思うほどの非日常の光景が広がっていました。
玉泉院丸庭園では、池に氷が張ったように見える雪景色が印象的で、いつも以上に美しく感じられました。

尾山神社は、加賀藩祖・前田利家を祀る神社で、和洋折衷の「神門」が特徴です。
雪をかぶった門と静かな境内が、冬の空気の中でしっとりと佇んでいました。

金沢の冬は厳しいけれど、その景色にはどこか懐かしさがあり、心の奥にある温かな記憶をそっと呼び起こしてくれるようでした。

父に姫みかんを届けた冬の日

面会のとき、父は姫みかんを嬉しそうに受け取り、旅先で撮った写真を見ながら目を細めていました。
その姿を見るのが、私にとって何よりの楽しみです。

雪の冷たさと、人のぬくもり。
その対比が、あの日の金沢をよりいっそう印象深く、美しいものにしてくれました。
観光というよりも、父に会いに行く道すがら、金沢の冬の美しさを静かに受け取った一日でした。

訪問日:20223年12月22日(金)


📖 冬の北陸ひとり旅(福井・石川・富山)の記録

※すべて2023年12月に訪れた北陸の旅の記録です。

静かな雪景色の中で出会った風景や人の温もりを、ひとつひとつ辿る旅となりました。

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