2026年7月、初めて浅草寺の四万六千日・ほおずき市へ行ってきました。
きっかけは、以前金沢・ひがし茶屋街で見かけた、とうもろこしと「四万六千日」と書かれた紙。そこから四万六千日という縁日を知り、今年は「先送りしない」と決めて訪れてみることにしました。
朝7時半の浅草寺は、ほおずき市の露店が開店準備を進める静かな時間。鬼灯に込められた意味や四万六千日限定の授与品、早朝ならではのゆったりとした雰囲気に触れながら、夏の風物詩を楽しんできました。
金沢で知った「四万六千日」が浅草寺へつながった
2026年7月、初めて浅草寺の四万六千日・ほおずき市を訪れました。
実は、この縁日に興味を持ったきっかけは、東京ではなく金沢でした。
2024年、父に卯辰山花菖蒲園の花菖蒲の写真を見せようと、ひがし茶屋街を歩いていたときのこと。あちこちの家の軒先に、とうもろこしと「四万六千日」と書かれた紙が飾られているのが気になりました。
金沢育ちですが何のためのものなのか分からず、地元の方に聞いてみると、旧暦7月6日の四万六千日に近くの長谷山 観音院へお参りすると、四万六千日分の功徳が得られるという古くからの言い伝えがあり、その日に授与されるものだと教えてくださいました。
そのとき初めて、「四万六千日」という言葉を知りました。
実は2024年にも、長谷山 観音院へ行こうと思っていました。しかし、「来年でいいかな」と先送りしてしまったのです。
ところが、その年に父が亡くなり、「あの時行っていれば……」という思いが残りました。
その後、改めて四万六千日について調べているうちに、浅草寺でも毎年7月9日・10日に四万六千日の縁日が開かれ、ほおずき市が行われていることを知りました。
浅草寺では、この日に参拝すると四万六千日分の功徳が得られると伝えられています。
金沢の長谷山 観音院は旧暦の日にちに合わせているのに対し、浅草寺は毎年7月9日・10日。そこもまた興味深く感じました。
「今度は先送りしないで行こう。」
そう思い、今年初めて浅草寺の四万六千日・ほおずき市へ足を運ぶことにしました。
朝7時半の浅草寺へ 始まる前のほおずき市
浅草寺は普段から多くの参拝客で賑わいますが、ほおずき市の2日間はさらに多くの人が訪れると聞いていました。
そこで今回は、朝7時半までに到着するように家を出ました。
浅草寺へ向かう途中、歩いている人たちがみんな浅草寺へ向かっているように見えて、朝から少し気合いが入ります。
仲見世通りはまだお店のシャッターが閉まっていて、人通りもまばらでした。
けれど、そのシャッターには江戸の町並みや下町の風景が描かれていて、お店が開く前の時間に歩いても「ここは江戸の下町なのだな」と感じられる雰囲気があります。
歩いている人を見ると、外国人旅行者の姿が多く、さすが浅草。朝早くから動き出しているアーリーバードの観光客がすでにちらほら見られました。
浅草寺の境内に着くと、ほおずき市の露店は開店準備の真っ最中。
たくさんのほおずきの鉢がきれいに並べられ、鉢をかごに入れて吊るす準備をしていたり、江戸風鈴を屋台の軒先につけたり、ほおずきの実を袋詰めしていたり。
これから始まる縁日に向けて、境内全体が少しずつ整えられていく時間でした。
ほおずき鉢を購入すると、江戸風鈴が一つ付いてくるそうです。江戸風鈴だけを販売しているお店もありました。
まだ賑わいが本格的に始まる前の、静かで少し特別なほおずき市の朝でした。
ほおずき市で知った鬼灯の意味
屋台を見ていると、鉢植えのほおずきだけでなく、袋入りのほおずきの実や、実をつけた長い枝も並んでいました。
袋入りの実や枝付きの実は、鉢植えよりも鮮やかな橙色で、実も大きく見えます。
枝付きのほおずきはとても長かったので、お店の方に「これはどう使うのですか?」と聞いてみました。
すると、「仏壇などに飾るんですよ」と教えてくださいました。
赤く色づいたほおずきの実が提灯のように見えることから、ご先祖様が迷わず戻ってこられるよう、灯りとして飾られるのだそうです。
その話を聞いて、ほおずきが漢字で「鬼灯」と書かれることにも、妙に納得しました。
東京のお盆は7月ということもあり、こうした用途でほおずきを求める方も多いのだと、また一つ勉強になりました。
もちろん、お盆のためだけでなく、赤橙色の鮮やかな実には魔除けの意味もあるとされ、家族を守る祈りも込められているそうです。
先祖の供養にもなるならと、今回は実が5個入った袋を一つ購入しました。
枝付きのほおずきも魅力的でしたが、位牌のそばに飾るには少し大きかったので、今回は袋入りを選びました。
四万六千日限定の授与品を拝受
その後、本堂へお参りしました。
境内のほおずき市はまだ準備中の露店もありましたが、本堂の中はすでに多くの参拝者で賑わっていました。
とはいえ、日中の混雑とは違い、早朝ならではの落ち着いた雰囲気もあり、ゆっくりお参りすることができました。
この日は四万六千日限定の雷除札、災難除守、そして7月限定の除災招福守を拝受しました。
雷除札と災難除守は、7月9日・10日の2日間のみ授与されるもの。除災招福守は7月中の授与とのことでした。
また、各日枚数限定の御朱印も用意されていました。
外国人旅行者の姿も多く見られましたが、授与品を拝受しているのは日本人の方が多い印象でした。
浅草寺らしい賑わいの中にも、この日だけの特別な祈りの時間が流れているように感じました。
朝だからこそ味わえた、ゆったりとしたほおずき市
お参りを終えて再びほおずき市の露店を見て回ると、準備を終えて営業を始めているお店も増えていました。
ほおずきを買っているお客さんの姿もちらほら。
印象的だったのは、お店の方とお客さんが一緒に鉢を選んでいる光景です。
よりどりみどりのほおずき鉢を前に、「こちらもきれいですよ」「この実の色がいいですね」といったやり取りをしながら、ひとつずつ見比べていました。
日中の混雑した時間帯では、きっとここまでゆっくり選ぶのは難しいのではないでしょうか。
ほおずき市の活気を楽しむなら、賑わう日中も魅力的だと思います。
でも、私にはこの早朝のゆったりとした時間がとても心地よく感じられました。
風鈴の音色も涼やかで、境内を歩いているだけで少し気持ちが和らぎます。
写真を撮っていると、屋台の方が「夜の方がきれいに撮れるよ。照明が入るとすごくきれいだから」と声をかけてくださいました。
夜のほおずき市もきっと美しいのだと思います。
ただ、この日は朝から梅雨明けしたのかと思うほどの強い日差し。早朝でもかなり暑かったので、日中の混雑と暑さを思うと、今回は早朝に訪れてよかったと感じました。
境内にはミストが出る休憩スペースもあり、ベンチでひと息つけるようになっていました。
ほおずき市の露店の方に「売れ行きは天気と曜日次第なんだよ」と教えていただいたのも印象に残っています。
歴史ある縁日でありながら、今もこうして人々の暮らしや天気、曜日に左右されながら続いているのだと思うと、少し親しみも湧きました。
七夕からほおずき市へ 季節の移ろいを感じながら
帰りに、隣の浅草神社にも立ち寄りました。
参道の両脇には七夕飾りが並び、願い事が書かれた短冊が笹の枝にたくさん吊るされていました。
つい2日前までは七夕。
そして今は、浅草寺のほおずき市。
笹の葉は少し色が変わり、稲のような色になっていて、季節が静かに次へ進んでいることを感じました。
夜のほおずき市も、いつか少しだけのぞいてみたい。
そして今回の訪問のきっかけとなった、金沢の長谷山 観音院の四万六千日にも、いつか足を運んでみたいと思いました。
金沢で見かけたとうもろこしから始まり、浅草寺のほおずき市へ。
一つの旅先で知ったことが、次の旅へつながっていく。
そんな旅の面白さを、改めて感じた一日でした。






















📖 金沢で知った「四万六千日」のきっかけ
今回、浅草寺の四万六千日・ほおずき市を訪れるきっかけになったのは、金沢・ひがし茶屋街で見かけた「とうもろこし」でした。
その日に訪れた卯辰山花菖蒲園では、初夏の花菖蒲や紫陽花を楽しみながら、思いがけず今回の旅へとつながる出来事に出会いました。


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