「ガラスの街とやま」で出会った静かな時間──TOYAMAキラリと路面電車の町歩き

アートと文化

冬の澄んだ空気のなか、富山市の中心にある複合施設「TOYAMAキラリ」へ。
ガラス美術館と図書館が共存する空間で、ガラスの透明感と木の温もりが調和する美しい時間を過ごしました。
そのあとに出会った路面電車の街並み、そして立山連峰の姿が、今も心に残っています。


富山市中心部に建つ複合ビル「TOYAMAキラリ」。その中には、富山市ガラス美術館と富山市立図書館が併設されています。この施設は、約30年にわたり「ガラスの街とやま」を目指して進められてきたまちづくりの象徴でもあり、まさに富山らしさが凝縮された場所です。

外観は御影石・ガラス・アルミといった異素材を組み合わせ、まるで立山連峰の重なりを思わせる表情。内部は富山県産の木材ルーバーが空間を包み、現代的でありながら温もりを感じさせる造りになっています。
図書館の穏やかな光の中でページをめくり、階上のガラス美術館では光と影の中に浮かぶ作品たちと静かに対話するような時間を過ごしました。美術館の撮影禁止エリアで出会った作品は写真に残せませんでしたが、その複雑で透明な輝きは今も心に焼き付いています。

館内の窓から、ふと立山連峰がうっすらと見えた瞬間──「今日は見えるんだ」と外へ出たくなりました。路面電車が行き交う通りを歩くと、古い薬屋「越中反魂丹」の店構えが目に留まります。
子どもの頃に見たような薬の包み、どこか懐かしい香り。店の方から「市役所展望台からは立山がよく見えますよ」と教えていただき、足を運んでみました。

地上70メートルの展望塔からは、360度のパノラマ。白く霞む立山連峰、雪でお化粧した富山城と城址公園、市街地を走る路面電車──そのどれもが穏やかに冬の午後を照らしていました。
空気が澄む春や秋には、もっとくっきりと山並みが見えるのだそう。次に訪れる時は、その景色を見上げながらまたこの街を歩きたいと思いました。


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※すべて2023年12月に訪れた北陸の旅の記録です。

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